かぼちゃの種の食べ方は殻ごとがおすすめ？フライパンやオーブンでの調理法を紹介

毎日のお料理で、かぼちゃを使う時についつい捨ててしまいがちな「かぼちゃの種」。
実はこの小さな種には、私たちの体が喜ぶ栄養素が詰まっているのをご存知ですか？
ビタミンEや良質な不飽和脂肪酸、そして現代人に不足しがちなミネラルが豊富で、まさに自然からの贈り物のような食材と言えます。

特に、特定の品種の種であれば殻ごと食べることが可能で、フライパン一つで手軽に、香ばしいヘルシースナックへと変身させることができます。

本記事では、かぼちゃの種の栄養価から、基本的な食べ方や殻ごと食べるのに適した品種・おすすめのアレンジレシピなどを紹介します。

かぼちゃの種とは？含まれる栄養素について

かぼちゃの種の調理法を理解していくうえで、その概要を押さえておくことは欠かせません。
ここでは、かぼちゃの種の基本的な情報や栄養素について紹介します。

かぼちゃの種の基本情報

かぼちゃの種は、硬い外殻の中に鮮やかな緑色の仁（胚乳）を宿している、古くから世界各地で親しまれてきた種子です。
特にメキシコや中東、ヨーロッパでは伝統的な食文化の一部として深く根付いていて、その栄養価の高さと独特の香ばしさが大切にされてきました。

殻をむいて中身だけを楽しむこともできますし、品種によっては殻ごと丸ごと食べることも可能です。
調理法によって風味や食感も変化するため、食生活に豊かな彩りを加えてくれることでしょう。

かぼちゃの種に含まれる栄養素

かぼちゃの種には、以下のような栄養成分が含まれています。

スクロールできます

栄養素	含有・特徴	健康を意識する方への価値
たんぱく質	約30％含有	筋肉の健康維持に関わる栄養素として注目
不飽和脂肪酸	オレイン酸・リノール酸	コレステロールを気にする方や心血管系の健康を意識する方に選ばれる成分
ビタミンE	強力な抗酸化成分	血行を意識する方、美容に関心のある方、年齢を重ねても健やかに過ごしたい方に重宝される成分
マグネシウム	ミネラル豊富	骨の健康・神経・筋肉の機能維持に関わる重要な栄養素
亜鉛	不足しがちなミネラル	免疫力を意識する方、ホルモンバランスを気にする方、前立腺の健康を意識する男性に注目される成分
食物繊維	水溶性・不溶性両方	腸内環境を意識する方、お腹の調子を気にする方の食生活で重宝される

小さな種ですが毎日の食事に取り入れることで、手軽に栄養バランスを整えることができる優秀なスーパーフードと言えるでしょう。

かぼちゃの種に期待される健康効果

かぼちゃの種に豊富に含まれる多種多様な栄養素は、私たちの体の健康維持にさまざまなポジティブな影響をもたらします。
ここでは、その健康価値を具体的に紹介します。

女性の健康維持をサポートする

かぼちゃの種に豊富に含まれるビタミンEは、女性特有のホルモンバランスの変化による、体調をサポートする栄養素として注目されています。

また、女性ホルモンのエストロゲンの働きや、排卵に関わるホルモンの生成にも深く関わっている亜鉛も多く含まれています。
さらに、かぼちゃの種に含まれる良質な脂肪酸は、ホルモンの働きをやさしくサポートしてくれる役割も果たします。

これらの栄養素がバランスよく含まれているからこそ、生理前の不調や更年期の体調変化を気にされている方々から、食生活のパートナーとして選ばれています。

男性の健康維持にも役立つ

男性の方にとっても、かぼちゃの種は頼もしい食材です。
かぼちゃの種に含まれるフィトステロールという植物由来の成分は、前立腺の健康に関わる栄養素として研究が続けられています。
また、亜鉛は前立腺に最も多く存在するミネラルで、この部分の健康をサポートする大切な役割を担っていると考えられています。

もちろん気になる症状がある場合は、まずは医師に相談することが大切です。
かぼちゃの種は、あくまで毎日の食生活をサポートする食材として、やさしく寄り添ってくれる存在だと考えていただければと思います。

かぼちゃの種を食べ過ぎると起こること

かぼちゃの種は栄養価の高い食品ですが、摂取量には注意が必要です。
適量を守って摂取することが、かぼちゃの種が持つ栄養価を最大限に活かすための重要なポイントとなります。

カロリーオーバーになる

かぼちゃの種は、その小さな見た目からは想像できないほど、非常に高カロリーな食品です。
乾燥したかぼちゃの種100グラムあたりには、およそ560キロカロリーものエネルギーが含まれています。
これは、一般的なご飯茶碗約2杯分に相当するカロリー量です。
1日の適量である約28グラム（大さじ2杯程度）を目安量にすることで、約160キロカロリーの摂取抑えることができます。
食べ過ぎを防ぐために、あらかじめ小分けにして保存しておくのもおすすめです。

消化不良になる

かぼちゃの種には食物繊維と脂質が豊富に含まれています。
これらは体に良い成分ですが、一度にたくさん食べると、お腹が張ったり、胃もたれを起こしたりすることがあります。
特に普段あまり食物繊維を摂っていない方が急にたくさん食べると、お腹の調子を崩してしまうこともあるので注意が必要です。
殻ごと食べる場合は特に、ゆっくりとよく噛んで食べることを心がけましょう。

かぼちゃの種を取り除く方法

家庭でかぼちゃの種を美味しく活用するためには、かぼちゃ本体から種を適切に取り出す工程が重要になります。
まずは、かぼちゃの種を調理するための第一歩となる工程を理解しておきましょう。

かぼちゃをカットする

重みのある包丁を使って刃元をかぼちゃに刺し込んでから、テコの原理を使ってゆっくりと押し開くようにすると、安全に作業できます。
もしかぼちゃが硬すぎて切りにくい場合は、電子レンジで2〜3分ほど温めてみてください。
少し柔らかくなって、格段に切りやすくなります。
ただし、温めすぎると種がワタに絡みつきやすくなるため、加熱時間には注意が必要です。

ワタごと取り除く

かぼちゃをカットしてワタと種が露出したら、大きめのスプーンや、アイスクリームスクープのような縁がシャープな道具を使って、ワタごと種をすくい取ります。
この時、無理に種を一つ一つこそげ取ろうとせず、ワタの大部分を種と一緒に取り除くイメージで作業を進めると効率的です。
後で種だけをワタから分離させる工程があるため、この段階では多少ワタが多くついていても問題ありません。

ワタから種を剥がし取る

ボウルに入れたワタと種に水を加えたら、手を使ってワタを軽くもみほぐします。
手でワタを軽くもみほぐすと、種が自然にワタから離れて、水中に沈んだり浮かんだりしてくれます。
水の中で作業することで、ワタのぬめりも一緒に洗い流せるので効率的です。
すべての種が分離したら、ザルにあけて流水でしっかりと洗い、キッチンペーパーで水分を優しく拭き取りましょう。

かぼちゃのタネの剥き方

殻を剥いて、中の緑色の仁（ペピタ）だけを食したい場合は、適切な下処理と剥き方のコツを知っておくことが大切です。
ここでは、殻が剥きやすくなるコツを押さえながら、具体的なやり方を紹介します。

洗ってから水分を拭き取る

取り出した種は、まずぬめりを完全に洗い流しましょう。
ザルで流水にかけて丁寧に洗い、その後キッチンペーパーや清潔な布巾で、種の表面の水分をしっかりと拭き取ります。
水分が残っていると、後で加熱する時に油がはねたり、均一に火が通らなかったりする原因になるので、入念に行うことが大切です。

弱火でローストする

殻を剥きやすくして、香ばしい風味を引き出すために、適切な温度でじっくりと加熱してあげましょう。

オーブンを使用する場合

120〜140℃に予熱し、天板にクッキングシートを敷いて種を重ならないように広げます。
そのまま15〜25分程度焼きますが、途中で一度天板を揺らしたり、木べらで混ぜたりして、全体が均一に加熱されるようにします。

フライパンを使用する場合

厚手のフライパンを用意し、油は引かずに弱火から中弱火で加熱します。
洗って乾燥させた種をフライパンに入れ、時々木べらで混ぜながら7〜12分程度じっくりと乾煎りします。
種がパチパチと音を立て始め、香ばしいナッツのような香りが漂ってきたら火を止めます。
高温で一気に加熱すると焦げ付きやすくなるため、低温で「カラリ」と乾燥させるように意識するのが成功の秘訣です。

冷ましたあと殻をむく

ローストしたかぼちゃの種は、完全に冷ますことで殻が割れやすくなり、剥く作業が容易になります。
十分に冷めたらキッチンばさみで種の尖った部分を少しカットして、そこから両側の殻を軽く押すと、中の仁が出てきます。
また、スプーンの背で軽く叩いて、ヒビを入れてから剥く方法もおすすめです。

かぼちゃの種の食べ方

かぼちゃの種は、その硬い殻をむいて中身の仁（ペピタ）だけを楽しむこともできますし、特定の品種であれば殻ごと丸ごと食することも可能です。
どちらの食べ方を選ぶかは、食感の好みや食物繊維の摂取意向・調理の手間によって変わってきます。
ここでは、それぞれの食べ方に適した調理法と、特にフライパンを使って手軽に美味しく仕上げる方法に焦点を当ててご紹介します。

殻をむいて食べる場合

殻をむいた仁は、そのままスナックとして楽しんだり、お料理のアクセントに使ったりと、いろいろな使い方ができます。
基本の味付けは、ローストして温かいうちにお塩をひとつまみ振りかけるだけで十分です。
冷めると味が馴染んで、より美味しく感じられます。

殻ごと食べる場合

殻には食物繊維がたっぷり含まれているので、丸ごと食べることで栄養面でのメリットも期待できます。
ただし、一般的なかぼちゃの種の殻はかなり硬いので、食べやすくするための下処理が必要になります。

かぼちゃの種を殻ごと食べる際の下処理

種をよく洗ったら、お鍋に水と塩（水1リットルに対して大さじ1/2程度）を入れて、弱火で10分ほど軽く茹でます。
これだけで殻がぐっと柔らかくなって、食べやすくなります。
茹で上がったら、しっかりと水気を切りましょう。

フライパンでしっかり炒る

厚手のフライパンを中弱火で温めて、下処理した種を入れます。
お好みで、ごく少量のオリーブオイルを絡めてから炒ってもおいしく仕上がります。
最初の3〜4分は、あまり触らずに水分が飛ぶのを待ちます。
その後は木べらで時々混ぜながら、合計8〜12分ほどかけてじっくりと炒り続けてください。種がふっくらとして、殻にほんのりと焼き色がついたら完成です。

かぼちゃの種を殻ごと食べるのに適した品種とは

一般的に市場に出回っている西洋かぼちゃや日本かぼちゃの種は、白くて厚い硬い殻に覆われているため、殻ごと食べるには適していません。
これらは、殻をむいて中の仁（ペピタ）を食べるのが一般的です。

一方で「ペポカボチャ」と呼ばれる系統には、殻が非常に薄く、中にはほとんど殻がないように見える「ハルレス（殻なし）品種」が存在します。
これらの品種の種は、緑色の仁がほぼ露出しているか、極めて薄い膜のような殻に覆われているため、加熱することでパリッと香ばしく、殻ごと違和感なく食べることができます。

一般的なスーパーでは見つけにくいかもしれませんが、種苗店やインターネット通販・自然食品を扱う専門店などで探すと見つかることがあるでしょう。

かぼちゃの種のおすすめレシピ

かぼちゃの種は、そのまま食べるだけでなく、さまざまな料理に活用することで、その風味と栄養価を最大限に引き出すことができます。
ここでは、フライパン一つで作れる手軽なスナックから、日々の食事に彩りと栄養を加えるトッピング、そして朝食を豊かにするアイデアまで、美味しく健康的にかぼちゃの種を楽しむためのおすすめレシピを紹介します。

フライパンでローストする際のアレンジレシピ

フライパンを使えば、ご家庭で手軽に香ばしい味付きかぼちゃの種ローストを作ることができます。
最後の味付けの工程を工夫することで、さらにおいしく仕上げられます。

アレンジ方法

和風にしたい場合は、ローストの最後に醤油とみりんを各小さじ1ずつ鍋肌に垂らし、ジュッと音を立てて絡めると、香ばしい和風の味付けになります。
スイートにしたい場合は、メープルシロップとシナモンパウダーを絡めれば、甘じょっぱいデザート感覚のスナックが完成です。
またスパイシーにしたい場合は、カレー粉とチリパウダーを加えれば、エスニック風味のスパイシーな仕上がりになります。

かぼちゃの種入りサラダ

サラダにかぼちゃの種をトッピングすると、香ばしい風味とカリッとした食感がプラスされてぐっと豪華になります。
栄養面でも、ビタミンEや良質なたんぱく質がプラスされるのでおすすめです。

材料

・ベビーリーフ：80g
・アボカド：1/2個（1.5cm角に切る）
・りんご：1/2個（いちょう切り）
・赤玉ねぎ：薄切り少々
・フェタチーズ：30g（なければカッテージチーズでも可）
・ローストしたかぼちゃの種：30g
・お好みのドレッシング：大さじ2

作り方

野菜と果物を切ったら、キッチンペーパーで水分を軽く押さえておきます。
りんごは変色防止のために、少量のレモン汁を絡めておきましょう。
大きめのボウルにベビーリーフを入れ、ドレッシングの半量を回しかけてふんわりと和えます。
次にアボカド・りんご・赤玉ねぎを加え、残りのドレッシングをさっと絡めます。
器に盛り付け、フェタチーズを手で崩しながら散らし、最後にローストしたかぼちゃの種をトッピングして完成です。

かぼちゃの種入自家製グラノーラ

手作りグラノーラにかぼちゃの種を加えると、栄養価がアップして、食べ応えも増します。

材料

・オートミール：200g
・かぼちゃの種：50g
・お好みのナッツ（アーモンド・くるみなど）：50g
・はちみつまたはメープルシロップ：60g
・ココナッツオイル：30g
・塩ひとつまみ

作り方

大きなボウルにオートミール、かぼちゃの種・ナッツ・塩を入れ、よく混ぜ合わせます。
別の容器にはちみつ（またはメープルシロップ）とココナッツオイルを入れ、湯煎などで温めて溶かし、よく混ぜます。
溶かした液体を最初のボウルに加えて、全体が均一になるようによく混ぜ合わせます。
クッキングシートを敷いた天板に広げ、160℃に予熱したオーブンで約20分焼きましょう。
焼き上がったらオーブンから取り出し、完全に冷ますと、グラノーラがカリカリになります。完成したグラノーラは、牛乳や豆乳・ヨーグルトなどと一緒に食べることで、バランスの取れた栄養バランスを意識した朝食や間食になります。