オートミールは栄養価の高さと手軽さが魅力で、多くの方から人気を集めています。
「オートミールを食べてみたいけれど、どう調理すればいいのか分からない…」
「試してみたけど、なんだか味気なくて続かなかった…」
という悩みを抱えている方も、ちょっとした工夫で、美味しく楽しく続けられます。
この記事では、オートミールの基本的な食べ方から、初心者でも美味しく作れる簡単レシピ、さらに飽きずに続けるコツまでを管理栄養士監修のもと分かりやすく解説していきます。
栄養バランスに優れたオートミールを食生活に取り入れようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
オートミールとは?どんな栄養を含んでいるの?

オートミールには食物繊維やミネラルが豊富に含まれており、栄養価が高いのが特徴です。
また腸内環境を意識する方や血糖値を気にする方の間で注目を集めており、特に健康や美容を意識する方々に選ばれています。
ここでは、オートミールの栄養価や種類について解説していきます。
オートミールに含まれる栄養とは
オートミールには、食物繊維やカルシウム・鉄分などが豊富に含まれています。
実際にオートミールに含まれているそれぞれの栄養成分の含有量は、以下の通りです。
栄養成分 | 40gあたりの含有量 |
食物繊維 | 3.8g |
鉄分 | 1.6mg |
カルシウム | 19mg |
オートミールに含まれる栄養と1日の必要量の比較
オートミールを食事に取り入れることでこれらの栄養を補えますが、実際は必要量に対してどのくらい摂取できているのでしょうか?
ここでは、オートミール(約40g)に含まれる食物繊維・カルシウム・鉄分について「日本人の食事摂取基準(2025年版)」と比較しながら解説します。
食物繊維
食物繊維は便通を意識する方や血糖値を気にする方に注目される栄養素で、日常的に取り入れたい成分です。
オートミール40gあたりに含まれる食物繊維は3.8gです。
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18〜49歳の男女ともに18g以上が目標とされています。
つまり、オートミール1食分で約20%カバーできることになります。
鉄分
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、18〜49歳の女性には1日あたり6mgの鉄分摂取が望ましいとされています。
オートミール40gあたりの鉄分は1.6mgなので、1食でその約26%を補えることになります。
特に女性は月経による鉄分不足が起こりやすいため、日常的に鉄分を補えるオートミールが心強い存在といえるでしょう。
カルシウム
カルシウムに関しては、18〜49歳の女性で650mgが推奨されているのに対し、オートミール1食あたり19mgと、1日の必要量の約3%にとどまります。
そのため、さらにカルシウムを摂取することを目指してオートミールと一緒に牛乳・豆乳・チーズ・小魚など、カルシウムが多く含まれる食品を摂取するのがおすすめです。
オートミールの種類
オートミールは、オーツ麦(燕麦)を脱穀し、食べやすく加工した食品です。
加工方法によっていくつかの種類があり、それぞれに特徴が異なります。
ロールドオーツ
ロールドオーツは、オートミールの中でも最も一般的なタイプです。
オーツ麦を蒸してからローラーで平らに潰しているため、適度な厚みと食感が残っています。
加熱調理が前提となるため、お米のように炊いて、お粥やリゾット風のメニューにするのがおすすめです。
初心者でも扱いやすく、アレンジの幅が広いのが魅力です。
クイックオーツ
クイックオーツは、ロールドオーツをさらに細かく砕いたタイプで、調理時間を大幅に短縮できるのが特徴です。
お湯や水を注ぐだけで柔らかくなり、忙しい朝や時間のないときに活躍します。
食感はやや柔らかめですが、スムージーや焼き菓子にも使いやすく、時短志向の方に最適なオートミールです。
インスタントオーツ
インスタントオーツは、すでに加熱処理と細かい粉砕が済んでおり、簡単に食べられるタイプです。
熱湯を注ぐまたは電子レンジで数十秒温めるだけで完成するため、オフィスや外出先でもすぐに栄養補給できます。
小分け包装の商品も多く、携帯性にも優れているため、忙しいビジネスパーソンや一人暮らしの方にもぴったりです。
スティールカットオーツ
スティールカットオーツは、オーツ麦を2~3つにカットしただけの最も自然に近いオートミールです。
粒がしっかりしていて、噛みごたえがあり、プチプチとした独特の食感が楽しめます。
調理には20〜30分ほど時間がかかるため、ゆとりのある時間帯の食事や、じっくり味わいたい方に向いています。
1食分の適切量とダイエット適性について
オートミールは少量でも満腹感を得られやすいため、1食分あたり30〜40g(大さじ約6杯分)が目安とされています。
またご飯をオートミールに置き換えることでカロリーを半分程度に抑えることができ、たんぱく質や食物繊維・鉄分・カルシウムなどの栄養素をしっかり補給できます。
栄養成分 | オートミール1食分(40g) | ご飯1杯分との比較 | ご飯1杯分(150g) |
---|---|---|---|
エネルギー | 140kcal | 約2/3 | 234kcal |
たんぱく質 | 5.5g | 約1.4倍 | 3.8g |
食物繊維 | 3.8g | 約1.6倍 | 2.3g |
鉄分 | 1.6mg | 約8倍 | 0.2mg |
カルシウム | 19mg | 約3.8倍 | 5mg |
オートミールの基本的な食べ方と簡単レシピ

オートミールはそのまま食べる以外にも、加熱調理や主食の代わり・おやつなど、さまざまな活用方法があります。
ここでは、オートミールを毎日の食事に取り入れやすくするための基本的な食べ方と、アレンジの幅が広がる簡単レシピを紹介します。
アレンジの幅が広がれば、毎日飽きずにオートミールを楽しめるでしょう。
そのまま食べる際のアレンジ方法
加熱調理済みのオートミールは、そのまま食べることができます。
手間をかけずに簡単に食べられるため、初心者の方でも取り入れやすい方法です。
基本的には、牛乳や豆乳をかけて、シリアル感覚で食べるのが最もシンプルな食べ方です。
さらにヨーグルトに混ぜると食感にアクセントが加わり、満足感もアップします。
そのほかにも、いくつかアレンジ方法があるので紹介します。
フルーツと一緒に
バナナ・ベリー類・りんごなどの新鮮なフルーツを加えると、自然な甘みとビタミンを同時に摂取できます。
また季節のフルーツを取り入れることで、一年を通して違った味わいを楽しめます。
ナッツ類でコクをプラス
アーモンド・くるみ・ピスタチオなどのナッツ類を加えると、良質な脂質とタンパク質を補強できます。
食感の変化も楽しめるため、満足感も大幅にアップします。
はちみつやメープルシロップ・スパイスの活用
はちみつ・メープルシロップ・きび糖などの自然な甘味を使うことで、美味しさがより引き立ちます。
そのほか、シナモンやココアパウダーなどのスパイスを加えることで、風味豊かな仕上がりになります。
加熱調理でもちもち食感を楽しむ
オートミールは、水分と加熱を加えることでもちもちとした食感になり、食べごたえがアップします。
温かい状態で楽しめるので、特に寒い季節に取り入れてほしい食べ方です。
加熱調理をする際の基本的な調理方法とは
オートミール30gを耐熱容器に入れ、水または牛乳を50〜60mlを加えます。
600Wで1〜2分加熱した後、よくかき混ぜれば完成です。
ただし、メーカーによって推奨される水分量や加熱時間に差がある場合があるため、パッケージを確認するようにしましょう。
お粥
やわらかく炊いたオートミールに塩や和風だしを加えると、体にやさしいお粥ができます。
梅干しや刻みねぎを追加すれば、さっぱりした味わいになるため、朝食や体調が優れない時の食事にも活用できます。
リゾット
オートミールにコンソメやミルクを加え、チーズやきのこ・ベーコンを入れれば、クリーミーで食べごたえのあるリゾットに仕上がります。
ランチや軽食にぴったりで、満腹感もしっかり得られます。
スープに入れる
オートミールをコンソメスープや味噌汁に加えると、栄養豊富で満腹感のあるスープが完成します。
手軽にボリュームアップできるので、体重管理を心がける方にも取り入れたい方法です。
話題の「米化」で主食として活用
近年注目されているのが、オートミールをお米のような食感にする「米化(こめか)」です。
米化したオートミールは、チャーハンやおにぎり・カレーライスなど、お米の代用として幅広く活用できます。
主食感覚で食べられるため、体重管理を心がける方や健康志向の方に支持されています。
米化をする際の基本的な調理方法とは
オートミール30gを平らに耐熱容器に敷き、水45mlを全体に回しかけます。
ラップをせずに600Wで1分30秒加熱し、箸で軽くほぐしたあと、ラップをしてさらに1分蒸らします。
これにより、お米のようなふっくら食感が再現できます。
お菓子やグラノーラを作る際に活用
オートミールは、そのまま食べるだけでなく、お菓子やグラノーラを作る際にもぴったりな食材です。
カロリーを抑えつつ、食物繊維やミネラルを効果的に補えるため、体重管理を心がける方のおやつや朝食としてもおすすめです。
簡単オートミールクッキー
オートミールクッキーは栄養素が豊富にふくまれているのはもちろん、腹持ちも良いため、体重管理を心がける方のおやつにもうってつけです。
またバターや白砂糖の代わりに、バナナやはちみつ・ココナッツオイルなどを使えば、自然な甘さを楽しめます。
手作りグラノーラ
フライパンやオーブンでローストするだけで作れるグラノーラは、保存がきくため作り置きとしても便利です。
はちみつやメープルシロップで甘みをつけ、ナッツやドライフルーツを加えれば、朝食や間食にもうってつけの一品になります。
オートミールの保存方法と購入時に気をつけたいポイント

オートミールを美味しく、長く楽しむためには、正しい保存方法と自分に合った商品選びが欠かせません。
開封後に湿気や酸化で品質が落ちてしまうと、風味が損なわれるだけでなく、栄養価にも影響が出ることがあります。
しかし、初めて購入する方は、商品の選び方や保存方法について悩むことも多いでしょう。
ここでは、オートミールの鮮度を保つための保存のコツと、購入時に失敗しないためのチェックポイントを解説していきます。
正しい保存方法で品質をキープ
オートミールは乾燥食品ですが、湿気や直射日光に弱いため、保存環境には注意が必要です。
開封前は直射日光を避けた常温保存で問題ありませんが、開封後は品質を保つために密閉容器に移し替えましょう。
冷蔵庫に入れる必要はありませんが、風通しのよい冷暗所で保存すると、より品質を保てます。
また梅雨時期や湿気の多い季節は、乾燥剤を一緒に入れておくと安心です。
開封した後は徐々に風味が損なわれるため、1〜2ヶ月を目安に使い切るのが理想的です。
購入時のポイント
ここからは、オートミールを購入する際に覚えておきたいいくつかのポイントをご紹介します。
初めて購入する際の選び方
初めてオートミールを選ぶ際は、原材料表示に「オーツ麦のみ」と記載されている、添加物の少ないものを選びましょう。
シンプルで加工の少ないものほど、アレンジがしやすく栄養価も高くなります。
またオートミールの種類に迷ったら、調理が簡単でアレンジしやすい「ロールドオーツ」や「クイックオーツ」から始めると良いでしょう。
最初は、500g〜1kg程度の使い切りやすいサイズを購入し、いろいろな種類を比較すると、自分に合ったものを選びやすくなります。
健康的な商品選択のポイント
オートミールを健康目的で取り入れるなら、できるだけ余計な添加物や砂糖が含まれていない商品を選ぶことが大切です。
特に「インスタントオーツ」やフレーバー付き商品には、味付けのために砂糖や香料・保存料が加えられていることがあります。
購入前に原材料欄をチェックし、「オーツ麦」または「全粒オーツ麦」とだけ書かれているものが理想的です。
またオーガニック認証付きの商品であれば、農薬の使用を控えた環境配慮型の製品を選ぶことにもつながります。
価格はやや高めになりますが、毎日食べるものだからこそ、品質にこだわった選択が健康維持の第一歩となります。
オートミールを食べる際の注意点とアレルギーへの対処

オートミールは栄養バランスに優れた健康食品として人気がありますが、摂り方によっては体調を崩してしまうこともあります。
特に初めて取り入れる方は、注意が必要です。
安心してオートミールを日常的に楽しむためにも、食べる量やアレルギーに関する注意点について、しっかり把握しておきましょう。
食べ過ぎによる不調に注意
オートミールは食物繊維が豊富なため、急に大量に摂取するとお腹の調子を崩す可能性があります。
主に、お腹の張りや下痢・便秘・胃もたれなどの症状が現れます。
初めて食べる場合は少量(15〜20g)から始めて、体調を見ながら徐々に量を増やしていくと良いでしょう。
アレルギー症状が出た場合の対応
オートミールは一般的にはアレルゲンとなりにくい食品ですが、まれにアレルギー反応が出る場合があります。
症状としては、皮膚の発疹・かゆみ・呼吸困難・吐き気・腹痛などが挙げられます。
これらの症状が現れた場合は、すぐに摂取を中止し、医療機関を受診しましょう。
特に過去に穀物アレルギーの経験がある方や、初めてオートミールを試す方は、少量から始めて体調に変化がないかを慎重に確認することが重要です。
自己判断せず、気になる症状があれば専門医の診断を受けるようにしましょう。
まとめ
オートミールはオーツ麦を加工した栄養価の高い食品で、手軽に取り入れられることから、健康志向の方々を中心に注目を集めています。
特に食物繊維・たんぱく質・鉄分・カルシウムなどが豊富に含まれており、ご飯と比較して低カロリーながらも、効率よく栄養を摂取できるのが特徴です。
基本的な食べ方としては、牛乳やヨーグルトと合わせるほか、加熱調理や米化することが挙げられます。
またナッツやフルーツを加えたり、コンソメ・めんつゆなどで味に変化をつけたりといった簡単なレシピを活用すると、飽きずに続けられます。
今回の記事で紹介したポイントを参考すれば、オートミール初心者の方でも、安心して取り入れられるでしょう。