「プロテインダイエットってどんな方法なの?」
「どうやって始めればいいかわからない」
そのような悩みを抱えている方も多いでしょう。
プロテインダイエットは、食事の一部をプロテインに置き換えることで、無理なくカロリーを意識できるダイエット方法として知られています。
極端な食事制限とは違い、必要な栄養素を補いながら体重管理を意識する方法として、多くの方に選ばれています。
この記事では、プロテインダイエットの基本的なやり方から選び方・注意点までを管理栄養士の観点から詳しく解説します。
正しい知識を身につけて、あなたに合った方法で無理のないダイエットを始めましょう。
プロテインダイエットとは

プロテインダイエットとは、普段の食事のうち1食をプロテインに置きかえることで、カロリーをおさえて体重をコントロールする方法です。
やり方がシンプルなので、初心者でも無理なく続けられる方法として注目を集めています。
またプロテインには、筋肉や肌・髪をつくるために大切なたんぱく質がたっぷり含まれているため、美容を意識している人にも人気があります。
ここでは、プロテインダイエットのメリットやデメリットについてお話しします。
プロテインダイエットのメリット
プロテインダイエットは、普段の食事をプロテインに置き換えるだけのシンプルな方法で、初心者でも始めやすいのが特徴です。
しかし、そのほかにはどのような点が支持されているのか、ご存じない方も多いでしょう。
ここでは、プロテインダイエットの魅力について紹介します。
筋肉量を維持できる
プロテインダイエットは、筋肉量をできるだけ維持しながら体重管理を目指したい方に取り入れられている方法のひとつです。
一般的な食事制限によるダイエットでは、摂取カロリーの減少にともなって筋肉量も減少しやすくなる傾向があるとされています。
たんぱく質は筋肉の構成成分であるアミノ酸を多く含む栄養素であり、適切な摂取は筋肉の維持に役立つ可能性があるのです。
満腹感の持続に繋がる
一部の研究では、たんぱく質を摂取することが満腹感の維持に繋がるという研究が報告されています。
例えば、たんぱく質は炭水化物や脂質に比べて消化に時間がかかる傾向があり、結果として食後の満足感が持続しやすいといわれています。
また、血糖値の急激な変動を抑える働きがあるとの報告がされており、空腹感に関する研究も行われています。
これらの要素から、たんぱく質を意識した食事は、空腹感を意識する方や間食を控えたい方に注目されています。
リバウンドを意識する方の体づくりに役立つ
極端な食事制限を行うダイエットでは、体重が一時的に減少しても、筋肉量の低下や基礎代謝の変化によって、元の食生活に戻した際に体重が戻りやすくなるケースがあるといわれています。
一方で、プロテインを飲んでたんぱく質を意識した食生活を心がけることは、筋肉量の維持につながる可能性があります。
これらのことから、プロテインは基礎代謝をやリバウンド防止を意識する方の食生活として注目されているのです。
また、たんぱく質を意識した食生活を習慣化することが、ダイエット終了後にバランスのとれた食事を意識するきっかけとなる場合もあります。
プロテインダイエットのデメリット
プロテインダイエットは、たんぱく質を手軽に摂取できる方法のひとつですが、デメリットも存在します。
デメリットを事前に把握し、自分に合った方法で無理なく継続することが大切です。
摂りすぎると太る可能性がある
たんぱく質にもカロリーが含まれているため、プロテインを摂りすぎると体重が増加する可能性があります。
「美味しいから」と飲み過ぎてしまうと、カロリーがオーバーする可能性もあるため、食事全体のバランスを見ながら、必要量の範囲内で取り入れるようにしましょう。
向かない場合もある
プロテインダイエットは、すべての人に適しているわけではありません。
体質やライフステージによっては、摂取を慎重に考える必要があるケースもあるため、注意しましょう。
体調に不安がある場合や取り入れてから不調が見られる場合は、無理に継続せず、医師や管理栄養士などの専門家に相談することをおすすめします。
プロテインダイエットのやり方

プロテインダイエットを生活に取り入れるためには、置き換える回数や量・タイミングが重要なポイントになります。
無理のない範囲で始めて、徐々に自分に合った方法を見つけていきましょう。
置き換える回数
プロテインを置き換える回数は、1日1回が目安です。
1日に複数回の食事をプロテインに置き換えるといった過度な制限は、栄養バランスへの配慮に欠けます。
エネルギーやビタミン・ミネラル・食物繊維などの不足につながることもあるため、注意が必要です。
置き換える量
プロテインダイエットで置き換える際の量は、1回の食事に必要な栄養バランスを考慮して調整することが大切です。
厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によれば、成人女性(18〜49歳)の1日あたりの推定エネルギー必要量は、約1950〜2050kcalとされています。
これを1日3食に均等に分けると、1食あたりのエネルギー摂取目安はおよそ650〜680kcalとなります。
市販のプロテイン製品は、1食あたりおよそ100〜150kcalに設計されています。
プロテインダイエットでは、このカロリー差により体重減少を目指すため、この範囲に収まるように取り入れましょう。
また成人女性(18〜49歳)のたんぱく質の摂取量は、1日あたりの推奨量が50gとなっています。
そのため、1回の置き換えで15〜20g摂取できるように調整するのも、一つの目安です。
製品によって成分が異なるため、パッケージ表示を確認しながら、食事1回分として過不足のない量に整えましょう。
プロテインを生活に取り入れるタイミングとは
プロテインダイエットでは、1日1食をプロテインに置き換える方法が多く用いられています。
取り入れるタイミングは、目的や生活スタイルによってさまざまです。
継続しやすさや体調の変化を見ながら、自分に合ったタイミングを見つけていくことが大切です。
朝食にプラス
「ダイエットのために朝食を抜く」「朝は忙しくて栄養まで気が回らない」といった声は少なくありません。
しかし朝食は、1日のスタートに必要な栄養を補う大切な機会とされており、できる範囲で無理なく取り入れることが望ましいです。
また、朝にたんぱく質を含む食品をプラスすることが、満足感に繋がるという研究報告もあります。
プロテインダイエットは、調理の手間もなく簡単に取り入れられるため、忙しい現代人の生活リズムにも取り入れやすい方法といえます。
例えば「朝はパンだけしか食べない」という方の場合、プロテインを追加することで、たんぱく質をしっかり補給できます。
夕食の一部を置き換え
夕食の一部をプロテインに置き換える方法は、1日のエネルギー摂取量を意識する方法として用いられることがあります。
特に夕食は、1日の食事の中でも摂取エネルギーが多くなりやすい傾向にあります。
例えば「ごはん+唐揚げ」の代わりに「プロテイン+サラダ」といったように、主食や主菜をプロテインに置き換え、さらに野菜を加えることで、満足感を得やすくなります。
ただし、夕食は家族や友人と過ごす時間であることも多く、食事のスタイルを大きく変えることで精神的な負担になることも考えられます。
無理なく続けるためには、体調やライフスタイルに合わせて、負担が少ない方法で取り入れることが望ましいです。
間食として補助的に活用
甘い菓子や糖分を多く含む飲料などの代わりに、プロテインを摂取する方法もあります。
チョコレートや菓子パンをプロテインバーやプロテインドリンクに置き換えることは、日中のカロリー摂取を意識する方法として取り入れられています。
ただし、間食として取り入れる場合は、1日の総摂取エネルギーや栄養バランスを踏まえ、他の食事との兼ね合いを意識することが大切です。
プロテインダイエットをより充実させる方法とは
プロテインを取り入れるだけでなく、適度な運動を並行して行うことで、より体重管理をサポートしやすくなります。
特に並行して筋力トレーニングや有酸素運動などを取り入れることで、日常生活で使われる筋肉の維持や活動量の確保につながります。
また運動を習慣化することで、生活全体のリズムが整い、継続的な食習慣の見直しにも役立つ可能性があります。
プロテインの種類と選び方

プロテインダイエットを取り入れるには、目的や体質に合ったプロテイン選びが重要です。
種類や特徴を理解して、自分にあった商品を見つけましょう。
プロテインの種類
プロテインには主に3つのタイプがあり、消化吸収の速度や風味などに違いがあります。
ここでは、それぞれの主な特徴について紹介します。
プロテインの種類 | 原料 | 特徴 |
ホエイプロテイン | 動物性たんぱく質 | 運動後の栄養補給や、すばやくたんぱく質を摂りたい方に選ばれています |
ソイプロテイン | 植物性たんぱく質 | 腹持ちを重視したい方や、植物性を選びたい方に人気があります |
カゼインプロテイン | 動物性たんぱく質 | 就寝前や間食など、長時間の栄養補給を意識する方に選ばれています |
ホエイプロテイン
ホエイプロテインは、牛乳を原料とする動物性たんぱく質で、ヨーグルトなどを作る過程で得られる水溶性部分から作られます。
一般的には消化・吸収が早いとされており、たんぱく質を効率的に摂取したい場面で利用されることがあります。
主に運動習慣のある方や、食後すぐの栄養補給を意識したい方の間で取り入れられることが多いプロテインです。
ソイプロテイン
ソイプロテインは、大豆を原料とした植物性のプロテインです。
消化吸収が緩やかに進むとされており、腹持ちのよさを意識したい方に選ばれる傾向があります。
また植物性であることから、動物性食品を避けたい方や、乳製品にアレルギーがある方にも選択肢のひとつとして考えられます。
カゼインプロテイン
カゼインプロテインは、ホエイと同じく牛乳由来ですが、吸収が比較的ゆっくり進むとされるプロテインです。
その特性から、就寝前や長時間食事をとれない場面でのたんぱく質補給の一環として取り入れられることもあります。
また胃の中で固まりやすい性質を持つとされており、満足感を持続させたい方にも選ばれる傾向があります。
プロテインの選び方
プロテインを選ぶ際は、たんぱく質の含有量だけでなく、糖質や脂質の量・味・形状といった続けやすさにも注目することがポイントです。
目的やライフスタイルに合った商品を選ぶことで、無理なく取り入れることができます。
糖質や脂質の量を確認する
ダイエットを目的にプロテインを取り入れる場合は、糖質や脂質の量を確認することが大切です。
糖質や脂質の量が多いプロテイン製品は、摂取することで1回あたりのエネルギー量が高くなる傾向にあります。
そのため、他の食事と合わせた際に摂取エネルギーが過剰になりやすく、体重管理を意識する際に注意しておきたいポイントです。
味の好みに合わせる
プロテインダイエットを継続するためには、味の好みも重要な要素です。
市販されているプロテイン製品には、バニラ・チョコレート・ストロベリー・抹茶など、さまざまな風味が展開されています。
好みに合う味を選ぶことで、日々の食生活に無理なく取り入れやすくなるでしょう。
形状をチェックする
プロテインの形状によっても、継続のしやすさが変わります。
粉末タイプは、コストパフォーマンスが良く、水や牛乳の量で濃さを調整できる自由度の高さが魅力です。
ただし、シェイカーが必要で、外出先では準備に手間がかかる場合があります。
一方、ドリンクタイプはそのまま飲めて持ち運びに便利ですが、コストが比較的高くなる傾向があります。
そのため、忙しい朝や外出先での摂取を重視する方に適しています。
そのほかにも固形タイプやタブレット・ゼリーなどさまざまな形状があるため、ライフスタイルや使用シーンに合わせて選ぶことが、継続して取り入れるコツです。
無理なく続けるためのコツ

プロテインを食生活に取り入れる際は、継続しやすいよう工夫することが大切です。
ここでは、無理なく続けるためのコツを紹介します。
日々の習慣として取り入れることで、健康的な食習慣の一環として活用しやすくなるでしょう。
バリエーションを増やす
プロテイン製品は、チョコレート・抹茶・バニラなど多様なフレーバーが販売されており、味に変化をつけることで、飽きずに取り入れやすくなります。
また豆乳と果物と混ぜてスムージー風にしたり、温めて飲んだりと、アレンジすることで続けやすくなります。
味の好みや摂取スタイルを調整し、自分に合った方法を見つけてみましょう。
記録をつける
日々の食事内容や体調の変化・体重・体脂肪率などを記録し、変化を「見える化」することは、プロテインの取り入れ方を見直すうえで役立ちます。
また少しずつでも数値の変化を実感できると、継続への意欲やモチベーションの維持にもつながるでしょう。
目標を設定する
ただ続けるだけでは、途中で意欲が薄れてしまうこともあります。
「まずは1か月続ける」「体重を3キロ減らす」というように、具体的な目標を決めてからスタートすることで、メリハリをつけて取り組めるでしょう。
また達成できた際には、自分にちょっとしたご褒美を設定するのもひとつの方法です。
楽しみながら行うことで、ストレスを抑えながら続けられるでしょう。
プロテインダイエットに関するQ&A

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運動しなくても体重管理はできますか?
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プロテインを摂取しただけで、必ず体重が減少するとは限りません。
体重管理では、消費するエネルギーが摂取エネルギーを上回る状態を継続することが基本とされています。
運動をしない場合でも、食事のバランスや生活習慣を見直すことで、徐々に体重が減少する場合もあります。
ただし、運動をあわせて取り入れることで、筋肉量の維持や日常の活動量の確保にもつながりやすくなるとされています。
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どのくらいの期間続けたほうが良いですか?
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一般的に、1〜3か月を目安に取り入れると良いとされています。
プロテインを取り入れた食生活は、一定期間継続することによって、ダイエットを意識する方の食生活として注目されています。
ただし、変化には個人差があるため、体調や食生活の変化を確認しながら、無理のない範囲で継続することが大切です。
まとめ
プロテインダイエットは、日々の食事の一部をプロテインに置き換える方法で、初心者でも始めやすいのが特徴です。
筋肉量を維持しながら食事全体のバランスを整えることができるとされており、空腹感を意識する方や、体重管理を目的にしている方に取り入れられることがあります。
一般的には、1日1食をプロテインに置き換える方法が多く用いられています。
朝食にプラスしたり、夕食の一部を置き換えたりと、自分の生活スタイルに合わせたタイミングで無理なく活用することがポイントです。
また含まれる糖質、脂質の量や味・形状もチェックすることで、無理なく継続しやすくなります。
様々な工夫を取り入れることで、無理なくプロテインを活用した食習慣を続けやすくなるでしょう。