有酸素運動を続けていらっしゃる方の中には「プロテインって筋トレをする人だけのものでしょう?」と思われている方も多いのではないでしょうか。
実は、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動をされる場合にも、プロテインはとても大切な役割を果たしてくれるのです。
長時間の有酸素運動では、どうしても筋肉の分解が進みやすくなってしまいます。
適切な栄養補給を心がけないと、せっかく運動を続けていても、筋肉量や活動量の低下を招いてしまう可能性があります。
今回の記事では、そんな有酸素運動とプロテインの関係について解説します。
適切な取り入れ方や選び方まで詳しくご紹介いたしますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
プロテインを摂取するメリット

プロテインは、タンパク質を手軽に効率よく補ってくれる心強い味方です。
最近では日常的に取り入れる方が増えてきていますが「なぜそんなに注目されているの?」と感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、プロテインを生活に取り入れることで得られる嬉しいポイントについてご紹介いたします。
タンパク質を無理なく効率よく摂れて栄養補給になる
プロテインの最大の魅力は、何といってもタンパク質を手軽に、そして効率的に摂取できることです。
普段のお食事から必要な量のタンパク質を摂ろうとすると、お料理の手間が増えてしまったり、カロリーが気になってしまったりすることも多いものですよね。
その点、プロテインなら1杯でおよそ15〜20gのタンパク質を摂ることができる製品がほとんどです。
脂質や糖質を抑えながら、必要な栄養を効率よく補給できます。
粉末状で体への吸収も早いため、運動後の体が栄養を求めているタイミングにもぴったりです。
忙しい毎日でも続けやすく、運動習慣を大切にされている方にとって、とても頼りになる存在といえるでしょう。
筋肉量を維持・増加できる
プロテインの摂取は、日々アクティブに過ごしたい方の栄養管理において、とても大切な役割を担ってくれます。
筋肉量を維持・増加させるてくれるため、日常生活での活動をサポートし、活発な毎日を送りたい方にぴったりの栄養成分です。
さらに、タンパク質は消化・吸収の過程で多くのエネルギーを使うという特性があります。
食事誘発性熱産生(DIT)と呼ばれるこの特性により、活動的な食生活をしっかりとサポートしてくれます。
こうした特性により、運動習慣を大切にされている方にはもちろん、ダイエット中の方の栄養バランス管理にも重宝されています。
疲労回復を促す
有酸素運動は長時間にわたって筋肉を使い続けるため、体内のエネルギー源である糖質や脂質だけでなく、筋肉のたんぱく質も使われることがあります。
そのため、呼吸数が多くなるような激しい運動ではなくても、体感以上の負担が残ることがあります。
疲れを和らげるのに効果的なのが、食事や飲料から、エネルギーとともにたんぱく質やアミノ酸を含む食品を取り入れることです。
プロテイン製品は、これらを手軽に補えることから、運動後の疲労回復にも役立ちます。
栄養バランスを整える
長時間の有酸素運動では、体内の糖質(筋グリコーゲン)が少なくなってくるため、エネルギー源として筋肉のタンパク質が分解されてしまいます。
特に、60分を超えるような長時間の有酸素運動では、筋肉分解のリスクが高まるといわれています。
空腹状態での運動や運動前後の栄養補給が十分でない場合、このリスクはさらに大きくなってしまいます。
プロテインによる効率的なタンパク質摂取を行うことが、こうした状況を乗り越えるのに役立ちます。
ヘモグロビンの材料を提供する
ヘモグロビンは、酸素を全身に運んでくれる重要な成分で、タンパク質と鉄分から作られています。
有酸素運動では多くの酸素が必要になるため、ヘモグロビンがしっかりと作られることが、運動を続けるためには欠かせません。
プロテインをしっかりと摂取することで、ヘモグロビンの材料となるアミノ酸が補給され、持久的な運動を続けたい方の栄養管理にも重要な役割を果たしてくれます。
プロテインを取り入れるおすすめのタイミング

プロテインを上手に活用するためには、摂取するタイミングがとても大切になってきます。
有酸素運動の特性を考えた、最適なタイミングについてご紹介します。
プロテイン摂取は有酸素運動後の30分以内がベスト
運動後30分以内は「ゴールデンタイム」と呼ばれていて、この時間内にプロテインを摂取することが最も理想的とされています。
これは、運動後の体が栄養を吸収しやすい状態になっており、筋肉の修復や成長に必要なアミノ酸を効率よく取り込むことができるためです。
この大切な時間帯を逃してしまうと、運動後の栄養補給が十分でなくなってしまう可能性があります。
可能であれば、遅くても運動後45分以内には摂取するのがおすすめです。
筋トレと有酸素運動を組み合わせる場合は間にプロテイン摂取をする
筋トレによって筋繊維がダメージを受けた直後は、体が修復のためにタンパク質を強く求めている状態になります。
そのため、筋トレの後に有酸素運動をされる場合は、その間のプロテイン摂取がおすすめです。
この後に有酸素運動が控えていても、ここでの栄養補給を省いてしまうと筋肉分解が進みやすくなります。
筋肉を大切に維持し、その後の有酸素運動の栄養バランスを整えるためにも、筋トレ後・有酸素運動前のプロテイン摂取を心がけてみてください。
朝の有酸素運動なら運動前のプロテイン摂取がおすすめ
早朝に有酸素運動をされる方は、空腹状態での運動による筋肉分解のリスクが特に高くなりがちですので、少し注意が必要です。
朝に運動をされる際は、消化に優しいプロテインの摂取を運動30分前に行いましょう。
このとき気をつけたいのが、胃に負担をかけないよう、お水で少し薄めに溶かして飲むことです。
エネルギー源を確保することにもつながるため、その日の活動をしっかりと支えてくれることでしょう。
プロテインの摂取量目安

プロテインは健康維持や運動習慣をサポートしてくれる頼もしい存在ですが、摂りすぎや不足は逆効果になってしまうこともあります。
運動習慣やお食事の内容などによって適切な量は人それぞれ異なりますので、ご自分の生活習慣を振り返りながら見極めていくことが大切です。
ここでは、理想的なタンパク質摂取量の目安と、量を決める際に気をつけていただきたいポイントについてご紹介いたします。
有酸素運動をされる方におすすめの摂取量
有酸素運動をされる方の場合、一般的に体重1kgあたり1.2〜1.6gのタンパク質摂取が推奨されています。
例えば体重60kgの方であれば、一日に72〜96g程度のタンパク質が必要ということになります。
一回のプロテイン摂取では20〜30gを目安にしていただき、一日に1〜2回の摂取が適切でしょう。
40g以上を一度に摂取しても体が効率的に吸収できる量には限りがあるため、分けて摂取するのがおすすめです。
摂取量を決める際に気をつけたいポイント
以下に、自分に合ったプロテインの摂取量を決めるために気を付けておきたいポイントをまとめました。
摂取カロリーのバランスを大切にする
プロテインは、摂取することで筋肉を維持でき、ダイエットにも役立ってくれます。
ただし、ダイエットの基本となるのは、摂取カロリーが消費カロリーを上回らないようにすることです。
種類によって多少の差はありますが、プロテイン20gのカロリーは50〜70kcal程度とされています。
そのため、お食事で摂取するカロリーと、有酸素運動をはじめとした運動や基礎代謝で消費されるカロリーをある程度把握していただいた上で、飲むプロテインの量を調整することも大切になってきます。
自分に合った量を無理なく見つける
プロテインの適切な摂取量は、運動の強度・体重・年齢・性別によって個人差があります。
長時間・高強度の有酸素運動をされる場合は、上記の推奨量よりも少し多めの摂取が必要になることもあります。
また、体重を減らしたい方の場合は、筋肉量維持のためにやや多めの摂取がおすすめされています。
摂取量の調整は段階的に行っていただき、体調の変化を観察しながら、ご自分にとって最適な量を見つけることが大切です。
有酸素運動におすすめなプロテインの種類
有酸素運動を取り入れていらっしゃる方にとって、プロテインの選び方は運動への取り組みに大きく影響してきます。
運動の目的やライフスタイルに合ったタイプを選ぶことで、筋肉の維持や体調管理・体づくりを効率よくサポートしてもらうことができます。
ここでは、プロテインの主な種類と、あなたにぴったりなプロテインの選び方について解説します。
プロテインの種類とは
プロテインには主にいくつかの種類があり、一般的にはホエイ・ソイ・カゼインの3つが主流とされています。
ご自分に合ったプロテインを選ぶためにも、まずは主な種類の概要について知っておきましょう。
それぞれの特徴を表にまとめましたため、ぜひ参考にしてみてください。
プロテインの種類 | 原料 | 特徴 | 主なメリット |
---|---|---|---|
ホエイプロテイン | 牛乳(動物性) | 必須アミノ酸のバランスが良い。筋肉修復に適している。 | 筋肉の栄養管理に適している |
ソイプロテイン | 大豆(植物性) | 満腹感が持続しやすい。イソフラボンを含む。 | 女性の健康サポート・ダイエットに適している |
カゼインプロテイン | 牛乳(動物性) | ゆっくり消化され、長時間にわたり栄養を供給できる。 | 夜間の栄養補給・持続的なアミノ酸補給に適している |
速やかな栄養補給をお望みならホエイ+カゼインがおすすめ
運動後の速やかな回復を重視されたい場合は、ホエイプロテインがぴったりです。
吸収速度が速いため、運動直後のゴールデンタイムに最適で、筋肉の栄養管理に必要な栄養を効率よく補給してくれます。
長時間の有酸素運動をされる場合は、運動前にカゼインプロテイン、運動後にホエイプロテインという組み合わせも適しています。
ダイエット目的ならソイプロテインがおすすめ
ダイエットを目的に有酸素運動を取り入れていらっしゃる方には、ソイプロテインをおすすめします。
植物性たんぱく質で消化吸収がゆるやかなため、腹持ちがよく、お食事の管理を心がけている方にも選ばれています。
さらに、大豆に含まれるイソフラボンは、女性の健やかな食生活において注目されている成分で、美容を意識される方からの人気が高いです。
動物性脂肪が含まれないため低カロリーで、体重管理と筋肉量の維持を意識される方にぴったりのプロテインです。
お食事のバランスを重視される方の栄養補助として、毎日の生活にも取り入れやすい点も魅力といえるでしょう。
続けやすい味やプロテインに含まれる成分も選ぶポイントになる
プロテインを続けて摂取していくうえで、味や成分の確認はとても大切なポイントになります。
人工甘味料や添加物が気になる方は、無添加タイプを選ぶのがおすすめです。
フレーバーの種類が豊富な商品を選ぶことで、飽きることなく続けていけるでしょう。
また、溶けやすさや泡立ちの少なさも、毎日摂取していく上では重要な要素になってきます。
成分表示を確認し、タンパク質の含有量や糖質・脂質の量をチェックすることで、ご自分の目的に合った商品を選ぶことができます。
コストパフォーマンスも考慮して、無理なく続けられる価格帯の商品を選ぶことも大切ですね。
プロテインを摂取する際に気をつけたいこと

プロテインは健康や運動習慣を支えてくれる心強いパートナーですが、正しい使い方を理解することがとても大切です。
飲み方やタイミングに気をつけるだけでなく、日常生活における他の要素とのバランスも考慮すると良いでしょう。
ここでは、プロテインを適切に、そして安心して取り入れてるためのポイントについてご紹介いたします。
水分補給も一緒に心がける
プロテインに含まれるタンパク質は、体内で分解・代謝される過程でお水を必要とします。
特に有酸素運動の後は汗によって体内の水分が失われていますので、プロテインと一緒にお水やスポーツドリンクなどでしっかりと水分補給をしましょう。
水分が不足してしまうと、体内での栄養素の循環や老廃物の排出がスムーズに行われず、せっかくのプロテインの価値が十分に活かされなくなってしまう可能性があります。
食事からの栄養摂取も大切にする
プロテインはあくまで補助的な栄養源であり、三大栄養素やビタミン・ミネラルを含む食事とのバランスがとても重要です。
タンパク質ばかりに偏ってしまうと、炭水化物や脂質が不足してしまい、エネルギー不足や体調不良の原因になってしまうこともあります。
また、ビタミンB群や鉄分・カルシウムなどはタンパク質の代謝や筋肉の働きをサポートしてくれるため、意識的にお食事から摂取しましょう。
栄養バランスの良いお食事をベースにするということを意識して、プロテインを取り入れることが大切です。
まとめ
有酸素運動を続けていらっしゃる方にとって、プロテインは、筋肉量の維持・体調管理のサポート・活動量の維持において、とても大切な栄養素となってくれます。
特に長時間の有酸素運動では筋肉分解のリスクが高まってしまいがちですので、適切なプロテイン摂取によって筋肉の栄養状態をサポートしていくことが欠かせません。
継続的な運動習慣とプロテイン摂取の組み合わせによって、長期的な健康維持と体力づくりに役立てていただけることでしょう。
有酸素運動の価値を最大限に活かすためにも、プロテインを上手に活用して、健やかで理想的な体づくりを目指してみませんか?