妊娠中は、飲み物に含まれるカフェインが気になりますよね。
特に、寒い季節に飲みたくなるココアは、カフェインが含まれているのか心配になる方も多いのではないでしょうか。
ココアはやさしい味わいでリラックスタイムに取り入れやすい一方、カフェインや糖質の量について正しく理解しておくことが大切です。
この記事では、ココアのカフェイン量や糖質量、妊娠中に飲むメリットや注意点について解説します。
正しい知識を身につけて、ココアを楽しみましょう。
ココアにカフェインは含まれる

結論からお伝えすると、ココアにもカフェインは含まれています。
しかし、その量はコーヒーや紅茶と比べて非常に少ないため、摂取量に配慮すれば妊娠中でも安心して楽しめる飲み物です。
ココアには「ピュアココア(純ココア)」と「ミルクココア(調整ココア)」の2種類があり、それぞれカフェインの含有量が異なります。
ピュアココアは粉末100gあたり約200mgのカフェインを含みますが、1杯分に使用する量は約5gのため、実際には1杯あたり約10mgのカフェインしか含まれません。
一方、ミルクココアは砂糖や乳成分が加えられているため、カフェイン量は微量です。
ココアのカフェイン量は控えめですが、体調や体質には個人差があるため、飲み過ぎには注意しましょう。
妊娠中にココアを飲んでも問題ない理由
世界保健機関(WHO)や英国食品基準庁(FSA)などでは、妊娠中のカフェイン摂取量を1日200〜300mg以下に抑えることを推奨しています。
ココア1杯(ピュアココア5g使用)に含まれるカフェイン量は約10mgとされており、これらの目安と比較すると少量です。
そのため、他のカフェイン飲料とのバランスに配慮すれば、妊娠中でも取り入れやすい飲み物といえるでしょう。
妊娠中にココアが選ばれる理由
妊娠中にココアが人気の理由は、やさしい味わいと取り入れやすさにあります。
温かい飲み物でほっと一息つくことができ、刺激が少ないので安心して楽しめます。
つわりや体調の変化で飲めるものが限られる中でも、甘さや濃さを調整しやすく、その日の体調や気分に合わせて楽しめる点も、多くの方に支持されている理由のひとつです。
妊娠中に気になるココアのカフェイン量について

妊娠中のカフェイン摂取について、具体的な数値を見てみましょう。
ここでは、ココアのカフェイン量や他の飲み物との比較、妊婦さん向けの目安をご紹介します。
正確な情報を知ることで、安心してココアを楽しむことができるでしょう。
ココアのカフェイン量はコーヒーの約1/10〜1/12
ココアに含まれるカフェイン量は、コーヒーと比べるとかなり少ないことが知られています。
一般的に、コーヒー1杯(約150ml)には約60mg前後のカフェインが含まれているのに対し、ピュアココア1杯(粉末約5gを使用)に含まれるカフェイン量は約5〜10mg程度とされています。
このため、作り方や濃さによって多少の差はあるものの、ココアのカフェイン量はコーヒーのおおよそ1/10〜1/12程度と考えられます。
ピュアココアの粉末自体は、100gあたり約200mgのカフェインを含みますが、実際に1杯のココアを作る際に使う量はごく少量です。
さまざまな飲料に含まれるカフェイン量の一覧
ココアのカフェイン量を他の飲料と比較してみましょう。
以下の表は、主な飲料100mlあたりに含まれるカフェイン量をまとめたものです。
| 飲料の種類 | カフェイン量(100mlあたり) |
|---|---|
| コーヒー | 約60mg |
| 紅茶 | 約30mg |
| 緑茶(煎茶) | 約20mg |
| ウーロン茶 | 約20mg |
| ほうじ茶 | 約20mg |
| ピュアココア | 約6.8mg |
| ミルクココア | 微量 |
この表からわかるように、ココアのカフェイン量は他の一般的な飲み物と比べても最も少ない部類に入ります。
妊婦にとって安全なココアの1日の摂取量目安は1〜2杯である
妊娠中のココアの摂取量は、1日1〜2杯程度が安全な目安です。
ピュアココア1杯(粉末5g使用)のカフェイン量は約10mgなので、2杯飲んでも20mgにしかなりません。
これは推奨量の10分の1以下であり、一般的にみてカフェイン量は控えめな範囲とされています。
ただし、カフェインだけでなく、糖質やポリフェノールの量にも気をつけましょう。
毎日続けて飲むのではなく、週に数回の楽しみとして取り入れるのが理想的です。
ココアに含まれる糖質量

妊娠中は体重管理や血糖値のコントロールが大切なので、糖質の量にも気をつける必要があります。
ココアは種類によって糖質の量が大きく異なり、選び方や飲み方によってはカロリーや糖質を多く摂ってしまうこともあります。
適切なココアを選び、飲み方に工夫することで、健康的に楽しむことができます。
ここでは、ピュアココアとミルクココアの糖質量を比べながら、それぞれの特徴を見ていきましょう。
| 種類 | 粉末100gあたりの糖質量 | ティースプーン1杯(約4g)あたり | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ピュアココア | 約18.5g | 約0.74g | 砂糖不使用。 苦味が強く、甘さは自分で調整できる |
| ミルクココア | 約74.9g | 約3g | 砂糖やミルク成分入りで、甘く飲みやすい |
このように、同じココアでも種類によって糖質量には大きな差があります。
またピュアココアは粉末だけでは非常に苦く、そのまま飲むのは難しい場合がほとんどです。
実際には砂糖や牛乳を加えて飲むことが多いため、最終的な糖質の量は使う材料や量によって変わります。
妊娠中は、飲み物からの糖質も無理のない範囲で意識しながら、ココアの種類や甘さを調整して楽しむことが大切です。
妊娠中にココアを飲むメリット

ココアには、妊娠中の体に嬉しいさまざまな栄養成分が含まれています。
ここでは、妊娠中にココアを飲むことで期待できるメリットについて解説します。
カカオポリフェノールによる抗酸化作用がある
ココアに豊富に含まれるカカオポリフェノールには、抗酸化作用があることが知られています。
抗酸化作用とは、体内の活性酸素を除去し、細胞の老化や酸化ストレスから体を守る働きのことです。
妊娠中は体内でさまざまな変化が起こり、ストレスを感じやすい時期でもあります。
カカオポリフェノールの抗酸化作用により、ストレスによる体への負担を軽減するサポートが期待できます。
また、カカオポリフェノールには血管を健康に保つ働きもあり、血流改善のサポートに役立つ可能性があります。
リラックス効果で心身を整える
ココアに含まれるテオブロミンという成分には、リラックスをサポートする働きがあります。
テオブロミンは自律神経のバランスを整える働きがあり、緊張状態を和らげて心身をリラックスさせる可能性があります。
妊娠中は、体調の変化やホルモンバランスの影響で、不安やストレスを感じやすくなることがあります。
温かいココアを飲むことで、テオブロミンのリラックスをサポートする働きにより、気持ちが落ち着き穏やかな時間を過ごすことができるでしょう。
また、テオブロミンにはカフェインのような強い覚醒作用がないため、カフェインを避けたい妊婦さんでも安心です。
体をやさしく温める効果がある
ココアには、体を芯から温めるサポートが期待できます。
この温めのサポートの秘密は、ココアに含まれるテオブロミンという成分にあります。
テオブロミンには血管を拡張させる働きがあり、末梢の血流を促進して体の隅々まで血液を巡らせる可能性があります。
妊娠中は、体の変化により、以前より冷えを感じやすくなることもあります。
温かいココアは、体をやさしく温める飲み物として取り入れやすいでしょう。
妊娠中にココアを安全に楽しむためのポイント

ココアは妊娠中でも楽しめる飲み物ですが、飲むときには少し注意が必要です。
ここでは、妊婦さんがココアを楽しむときに気をつけたいポイントをご紹介します。
飲む量を守る
妊娠中にココアを飲む場合は、1日1〜2杯程度を目安にするとよいでしょう。
カフェイン量は比較的少ないものの、糖質やカロリーの摂りすぎには注意が必要です。
とくに市販のミルクココアは甘さが強いものも多いため、1日1杯ほどに控えるのがおすすめです。
毎日飲むというよりも、気分転換として週に数回楽しむくらいがちょうどよいでしょう。
ココアを飲む日はほかの甘い飲み物やおやつを控えめにするなど、全体のバランスを意識することも大切です。
ほどよい濃さで楽しむ
ココアを飲む際は、濃すぎない適度な濃さを意識しましょう。
濃く作りすぎると、カフェインや糖質などの摂取量が増えてしまうことがあります。
ピュアココアを使う場合は、1杯あたり粉末5g程度を目安にすると安心です。
ミルクココアも、パッケージに記載された分量を守り、ほどよい濃さで楽しみましょう。
ほどよい濃さで楽しむことが、ココアを美味しく味わうポイントです。
寝る前に飲むことは控える
ココアは、寝る直前に飲むのはできるだけ避けた方がよいでしょう。
ココアに含まれるカフェイン量は少なめですが、就寝前に摂取すると眠りにくくなる可能性があります。
妊娠中は睡眠が浅くなりやすく、夜中に目が覚めてしまうこともあるため、質の良い睡眠を意識することが大切です。
ココアを飲む場合は、就寝の2〜3時間前までにとどめ、午後のリラックスタイムや夕方のおやつの時間に楽しみましょう。
甘さや脂質を控えめなものを選ぶ
妊娠中にココアを選ぶ際は、甘さや脂質が控えめなものを意識しましょう。
市販のミルクココアには、砂糖や乳成分が多く含まれている場合があり、1杯でもカロリーや糖質が高くなりやすいことがあります。
体重管理や血糖値への配慮が必要な妊娠中は、できるだけ低糖質・低カロリーのタイプを選ぶとよいでしょう。
最近では、糖質オフやカロリー控えめの商品も販売されているため、そうした表示を参考に選ぶのもひとつの方法です。
純ココアやオーガニック商品を選ぶ
妊娠中は、できるだけ添加物の少ない純ココアやオーガニック商品を選ぶことをおすすめします。
純ココア(ピュアココア)は、カカオマスから油脂分を取り除いて粉末状にしたもので、砂糖や乳成分などの添加物が含まれていません。
また、オーガニック商品は農薬や化学肥料を使わずに栽培されたカカオ豆を使用しているため、より安心して楽しむことができます。
妊娠中は赤ちゃんの健康を第一に考え、できるだけ安全で質の良い食品を選びたいものです。
パッケージの原材料表示を確認し、できるだけ添加物が含まれていない商品を選ぶように心がけましょう。
ピュアココアの粉末を使った手作りもおすすめ
妊娠中のココアは、ピュアココアの粉末を使った手作りもおすすめです。
手作りであれば、砂糖の量やミルクの種類・濃さなど、すべて自分で調整できるため、カロリーや糖質を抑えることができます。
手作りのメリットは、市販のミルクココアに比べて糖質を大幅に減らせることです。
少し手間はかかりますが、安全で美味しいココアを飲むためには、手作りがおすすめの方法です。
心配な場合はかかりつけの医師に相談する
ココアを飲むことに不安がある場合や、体質的に心配な点がある場合は、遠慮なくかかりつけの医師に相談しましょう。
妊娠中は体質や体調が人それぞれ異なり、一般的には問題ないとされることでも、個人によっては注意が必要な場合があります。
少しでも疑問や不安があれば、遠慮せずに相談することが、母子ともに健康なマタニティライフを送るための大切なポイントです。
妊娠中にココアを楽しむアレンジレシピ

妊娠中でも、工夫次第でココアをより美味しく、より健康的に楽しむことができます。
ここでは、栄養バランスを考えたアレンジレシピをご紹介します。
どれも簡単に作れるものばかりなので、ぜひ試してみてください。
ミルクや豆乳でまろやかアレンジ
ココアを作る際の基本となるのが、ミルクや豆乳を使ったアレンジです。
豆乳を使えば植物性たんぱく質や大豆イソフラボンも摂取でき、よりヘルシーなココアに仕上がります。
作り方は、ピュアココア粉末5gを少量のお湯で溶かし、温めた牛乳または豆乳150〜200mlを注ぎ、よく混ぜるだけです。
甘さが欲しい場合は、はちみつを小さじ1杯程度加えると、まろやかで優しい甘さになります。
それぞれの良さを取り入れた、栄養バランスの良いココアを楽しむことができます。
オートミールやヨーグルトに混ぜる簡単アレンジ
ココアは飲み物だけでなく、食べ物にアレンジすることもできます。
特におすすめなのが、オートミールやヨーグルトに混ぜる方法です。
オートミールココアの作り方は、オートミール30gに豆乳または牛乳150mlとピュアココア粉末小さじ1杯を加え、電子レンジで2分程度加熱するだけです。
食物繊維が豊富なオートミールとココアの組み合わせは、便秘に悩む妊婦さんにぴったりです。
ヨーグルトココアは、無糖ヨーグルト100gにピュアココア粉末小さじ1杯とはちみつ小さじ1杯を混ぜるだけで完成します。
ヨーグルトの乳酸菌とココアのポリフェノールで、腸内環境を整えるサポートが期待できます。
フルーツやスパイスを加えたアレンジドリンク
ココアにフルーツやスパイスを加えることで、風味豊かなオリジナルドリンクを楽しむことができます。
バナナココアは、完熟バナナ1/2本をフォークで潰し、温めた牛乳とピュアココア粉末を加えてよく混ぜるだけです。
また、スパイスを加えるアレンジもおすすめです。
シナモンパウダーをひとつまみ加えれば、体を温めるサポートがさらに高まります。
ジンジャーパウダーを少量加えれば、つわり中でも飲みやすいでしょう。
さらに、バニラエッセンスを2〜3滴加えると、まるでカフェのような上品な香りのココアに仕上がります。
これらのアレンジは、余分な砂糖を使わずに味のバリエーションを楽しめるため、妊娠中の体重管理にも配慮しながらココアを楽しむことができます。
まとめ
ココアは、カフェイン量がコーヒーの約1/10〜1/12と非常に少なく、妊娠中でも1日1〜2杯程度であれば安心して楽しめる飲み物です。
ココアには、体を温めるサポートが期待できるテオブロミン、抗酸化作用のあるカカオポリフェノール、リラックスをサポートする成分など、妊娠中に嬉しいメリットがたくさんあります。
ただし、糖質量には注意が必要です。
できればピュアココアを使用し、砂糖の量を自分で調整できる手作りがおすすめです。
飲むタイミングは、就寝の2〜3時間前までにとどめ、寝る直前は避けることも大切です。
ココアは適量を守れば、妊娠中のリラックスタイムを豊かにしてくれる素敵な飲み物です。
心配なことがあれば、かかりつけの医師に相談しながら、温かいココアでほっとひと息つく時間を楽しんでみてください。















