「なかなか寝つけない」「翌朝、肌がなんだかくすんでいる気がする」そんなお悩みの一因が、もしかすると寝る前の飲み物にあるかもしれません。
就寝中は呼吸や発汗で水分が失われ、体内の水分不足は肌の保水や体のめぐりにも影響しやすくなると言われています。
また、温かい飲み物が深部体温のゆるやかな変化を促し、自然な眠気につながる可能性もあります。
何気なく選んでいる1杯を少し意識するだけで、眠りの質や翌朝のコンディションが変わるきっかけになるかもしれません。今夜から、ご自分に合った1杯を探してみませんか。
睡眠の質を上げる飲み物

眠りの質を意識する方に選ばれている飲み物としてよく挙げられるのは、白湯・ホットミルク・カモミールティーなど。でも、どれが正解かは、その夜の体の状態によって変わってきます。
頭が冴えてなかなか気持ちが切り替えられない夜と、体の冷えが気になる夜とでは、寄り添ってくれる飲み物も自然と違ってくるものです。
「今夜の自分はどんな状態かな?」と少し立ち止まって選んでみることが、ご自分にぴったりの1杯に出会うための、やさしい第一歩になります。
頭が冴えて眠れない夜に|カモミールティー・ホットミルク・ホットココア・甘酒・乳酸菌飲料
仕事や家事の疲れが頭に残り、なかなか気持ちが切り替わらない夜ってありますよね。そんなときは、こころと体をゆったりほぐしてくれる飲み物が、きっと心強い味方になってくれます。
以下の5つは、いずれも精神的な緊張をやわらげる働きへの関与が期待されているものです。お好みに合わせて、気軽に試してみてください。
カモミールティー
ノンカフェインのハーブティーで、古くからリラックスしたいときに世界中で親しまれてきたお茶です。
カモミールに含まれるアピゲニンという成分が、神経の高ぶりをやさしくやわらげる働きに関与すると考えられています。温かいカップを両手でそっと包み、ゆっくりと香りを楽しむだけでも、なんだか心がほっと落ち着いてくるでしょう。
ホットミルク
牛乳に含まれるトリプトファンというアミノ酸は、体内でリラックスや眠りに関わる成分の材料になると考えられています。
同時に含まれるカルシウムも、神経の高ぶりをやさしくやわらげる働きへの関与が期待されている成分です。
乳製品が体質に合わない方は、同じくトリプトファンを含む豆乳に置き換えてみるのもいいかもしれません。
ホットココア
カカオに含まれるテオブロミンという成分には、こころと体をゆったりとした状態へ導く働きに関与する可能性があるとされています。
また、カカオポリフェノールはストレスとの関わりが研究されている成分でもあり、ほっとひと息つきたい夜にぴったりの飲み物です。
市販の調整ココアは糖分が多いものもあるため、砂糖の少ないタイプを選ぶか、豆乳や牛乳でやさしく薄めて飲む方法がおすすめです。
なお、ピュアココアにはカフェインに近い働きをするテオブロミンが含まれているため、成分が気になる方は就寝直前の摂取に少し注意してみてください。
甘酒(米麹タイプ)
アルコールを含まない米麹タイプの甘酒には、オリゴ糖やアミノ酸が含まれており、腸内の環境づくりに関与する可能性があると言われています。
腸と自律神経には密接な関係があるとされており、腸の状態を整えることが、こころと体のバランスを保つ一助になる可能性も考えられています。
飲む点滴とも呼ばれる米麹甘酒を、夜のルーティンにそっと加えてみてはいかがでしょうか。
市販品は糖質が高めのものもあるため、飲み過ぎには注意しましょう。寝る前に飲む場合は、必ずノンアルコールの米麹タイプを選んでください。
乳酸菌飲料
腸内環境と自律神経には関係があるとされており、乳酸菌を含む飲み物はストレスを感じやすい夜の体づくりをそっと後押しする可能性があると考えられています。
市販の乳酸菌飲料は糖分が多いものも少なくないため、成分表をさっと確認してから選ぶと安心です。
体の冷えが気になる夜に|白湯・ホットジンジャー・黒豆茶
手足が冷えてなかなか眠れない夜は、体を内側からじんわりと温めてくれる飲み物が心強い味方になってくれます。
冷えは体の末端まで温まりにくい状態と関連が深いとされており、温かい飲み物で体の内側からゆっくり温まることで、自然と眠りに入りやすい状態へと近づきやすくなると考えられています。
白湯
余計なものが何も入っていない、シンプルでやさしい飲み物です。
体を内側からじんわりと温め、胃腸への負担も少ないため、毎晩無理なく続けやすいのが嬉しいポイント。
歯磨き後でも気軽にいただけるうえ、カロリーが気になる方にも取り入れやすい選択肢です。
ホットジンジャー
生姜に含まれる成分には体を温める働きへの関与が期待されており、冷えが気になる夜の1杯として昔から親しまれてきた飲み物です。
乾燥生姜に含まれるショウガオールは、特に体を内側からぽかぽかと温める働きへの関与が期待されています。
胃腸への刺激が出やすいため飲み過ぎには注意しながら、はちみつをほんのり加えると飲みやすくなりますよ。
黒豆茶
ノンカフェインで就寝前でも安心して飲めるお茶です。
大豆イソフラボンを含み、女性ホルモンと似た構造を持つ成分として知られています。
体のめぐりや日々のバランスを大切にしたい方にも、きっと親しみやすい1杯になるでしょう。
胃が重い・食べすぎた夜に|白湯・ルイボスティー・麦茶・トマトジュース
夕食が遅くなった夜や、「ちょっと食べすぎたな」と感じる夜は、胃腸にそっと寄り添うシンプルな飲み物を選んであげることが大切です。
消化中の胃腸を刺激しやすい飲み物は、眠りの妨げになる場合もあります。こんな夜こそ、体の声を聞きながらやさしい飲み物を選んでみてください。
白湯
体を温めながら胃腸にも穏やかに寄り添ってくれる白湯は、食後の重さが気になる夜にも手軽に取り入れやすい、頼もしい1杯です。
ルイボスティー
ノンカフェインでミネラルを含み、胃への刺激が少ないやさしいお茶です。
抗酸化物質も含まれており、美容との関わりでも注目されています。
ほのかな甘みで飲みやすく、夜のリラックスタイムにもそっと馴染んでくれる1杯です。
麦茶
ノンカフェインで胃への刺激が少なく、古くから日本の食卓で親しまれてきたなじみ深いお茶です。
温めて飲むことで体もほんのり温まり、就寝前の飲み物として気軽に取り入れていただけます。
トマトジュース
トマトに含まれるGABAという成分には、神経の高ぶりをやわらげ、気持ちをゆったりとした状態へ導く可能性への関与が期待されています。
また、カリウムが体内の体温調整に関わるとも言われています。
冷たいままでも飲める手軽さが嬉しいところですが、塩分が多い商品もあるため、食塩無添加のものを選ぶのがおすすめです。
肌の乾燥・コンディションが気になる夜に|常温水・豆乳・ルイボスティー
「なんだか肌が乾いている気がする」夜は、まず水分をやさしく補うことから始めてみましょう。
眠っている間の水分不足を補うことが、翌朝のうるおい肌への小さな積み重ねになるかもしれません。
常温の水
常温の水をコップ1杯そっと飲むだけでも、眠っている間の水分不足を補う一助になります。
体への負担も少なく、毎晩続けやすいのが嬉しいポイントです。
豆乳
たんぱく質とイソフラボンを含む豆乳は、肌の土台となる栄養素を日々の食習慣で意識したい夜にも取り入れやすい選択肢です。
温めてホット豆乳にするのもおすすめですよ。
ルイボスティー
ミネラルと抗酸化物質を含み、ノンカフェインで就寝前でも安心して飲めるお茶です。
いずれもコップ1杯程度を目安に、無理なく続けてみてください。
睡眠の質を下げる飲み物

眠りの質を意識した飲み物がある一方で、就寝前に飲むことで眠りの妨げになりやすい飲み物もあります。
「毎晩の習慣だから」「体によさそうだから」と何気なく選んでいたものが、実はご自身の睡眠に影響していたというケースは少なくありません。
カフェインやアルコールはその代表例ですが、一見ヘルシーに見える飲み物にも気をつけたいポイントがあります。
就寝前の飲み物を見直す際に、ぜひ参考にしてみてください。
カフェインを含む飲み物(コーヒー・緑茶・紅茶など)
カフェインには、眠気を抑える働きがあり、体内で分解・排出されるまでに時間がかかる傾向があります。
個人差はありますが、摂取してから体内のカフェイン量が半分になるまで4〜7時間かかるとも言われており、夕方以降の1杯が就寝時間まで影響することもあるかもしれません。
夜にお茶を楽しみたい場合は、ノンカフェインのものを選ぶと安心です。
なお、ほうじ茶や玄米茶は緑茶に比べてカフェイン量が少ない傾向にありますが、完全にゼロではない点も頭に置いておくといいでしょう。
| 飲み物 | 100mlあたりのカフェイン量の目安 |
|---|---|
| コーヒー | 約60mg |
| 紅茶 | 約30mg |
| 緑茶 | 約20mg |
| ほうじ茶 | 約20mg |
| 玄米茶 | 約10mg |
上記はあくまで目安であり、商品によって含有量が異なります。
夜の飲み物を選ぶ際は、商品パッケージのカフェイン表示をさっと確認する習慣をつけておくと、より安心して選べるようになりますよ。
アルコール
アルコールには一時的に眠気を誘いやすい作用があるため、寝酒として習慣にしている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、アルコールは体内でアセトアルデヒドという物質に分解される過程で覚醒を促す作用が生じ、眠りが浅くなりやすいとされています。
また利尿作用によって夜中に目が覚めやすくなったり、寝汗の一因になったりする場合もあります。
「寝つきはよいのに、なんだか朝すっきり起きられない」と感じている場合、もしかすると就寝前のアルコールが影響しているかもしれません。
心地よい眠りのためには、就寝前のアルコールは控えることが望ましいでしょう。
その他の注意が必要な飲み物
「体によさそう」というイメージで選ばれがちな飲み物でも、内容や飲み方によっては少し注意が必要な場合があります。
知っておくだけで、より安心して夜の1杯を楽しめるようになりますよ。
市販の調整ココア
カカオ由来の成分はこころと体をゆったりとした状態へ導く働きへの関与が期待されていますが、市販の調整ココアには糖分や脂質が多く含まれているものがあります。
また、テオブロミンというカフェインに近い働きをする成分を含むため、就寝直前の大量摂取は控えた方がよいでしょう。
寝る前に飲む場合は、砂糖の少ないタイプをお好みで選び、量はほどほどにするのがおすすめです。
酒粕タイプの甘酒
甘酒には、米麹タイプと酒粕タイプがあります。
酒粕タイプには微量のアルコールが含まれる場合があるため、寝る前に飲む際はノンアルコールの米麹タイプを選ぶようにしましょう。
市販の野菜・フルーツジュース
一見ヘルシーに見えますが、市販品には糖分が多く含まれているものが少なくありません。
就寝前の過剰な糖質摂取は体への負担につながる可能性があるため、成分表をさっと確認してから選ぶようにするといいでしょう。
なお、持病や服薬による治療をされている方は、飲み物の成分が体に影響する場合もあります。
心配な方はかかりつけの医師にご相談ください。
より効果を引き出す飲み方

眠りの質を意識した飲み物を選んでも、飲み方が合っていなければその良さを感じにくくなることがあります。
タイミング・量・温度といった基本的なポイントをほんの少し意識するだけで、同じ1杯でも体への働きかけが変わることがあります。
難しく考えずに、ご自分のペースで取り入れてみてください。
飲むタイミング・量・温度の目安
就寝の30分〜1時間前を目安に、コップ1杯(150〜200ml程度)をゆっくりいただくのが基本です。
温かい飲み物の場合は40〜50℃程度がちょうどよく、熱すぎると交感神経が刺激される一因になる場合があります。
就寝直前にどうしても飲みたいときは、体温を急激に上げない常温の水や冷ましたお茶を選ぶと安心です。
量が多すぎると夜中のトイレ覚醒につながりやすくなる場合もあるため、飲み過ぎにも気をつけながら、心地よい量を見つけてみてください。
習慣として続けるための小さなコツ
「毎晩同じ飲み物でなければいけない」と考えすぎると、続けることが負担になってしまいます。
無理せず、気楽に続けることが一番です。
その日の体の状態や気分に合わせて自由に選ぶこと自体が夜のリラックスタイムになると考えると、きっと取り入れやすくなるでしょう。
お気に入りのマグカップを用意したり、いくつかのティーバッグをまとめて手の届く場所に置いておいたりと、ほんの少しの工夫が毎晩の習慣を後押ししてくれます。
「今夜はどれにしようかな」と選ぶ時間そのものが、1日の終わりの小さな幸せになれば、習慣はより自然と長続きしていくでしょう。
まとめ
寝る前の飲み物は、眠りの質や翌朝のコンディションに関わる毎晩のやさしい習慣です。
眠りの質を大切にしたい方に選ばれている飲み物として代表的なのは、白湯・カモミールティー・ホットミルク・黒豆茶・ルイボスティーなど、ノンカフェインで体を穏やかに温めてくれるものです。
頭が冴えている、体が冷えている、胃が重い、肌が乾燥している、など今夜の体の状態に合わせて選んでみることで、きっとご自分にぴったりの1杯に出会えるはずです。
一方で、カフェインを含む飲み物やアルコールは眠りの妨げになりやすい場合があるため、就寝前は控えることが望ましいでしょう。
今夜の1杯を少し意識して選ぶことが、心地よい眠りと翌朝のスッキリとした自分へのやさしい贈り物になります。
ぜひ、今夜から試してみてください。














