プロテインを飲む際、「水や牛乳ではなくお湯で溶かしても大丈夫?」と疑問に思ったことはありませんか?
とくに寒い季節や体を温めたいときなど、温かい飲み物として摂取したいという人も多いでしょう。
しかし、実際にはお湯の温度によってはタンパク質が変性してしまい、せっかくの栄養効果を十分に得られない可能性もあります。
一方で、適切な温度を守れば溶けやすく、冷たい飲み物が苦手な人でも無理なく続けられるというメリットもあります。
本記事では、プロテインをお湯で溶かす際の正しい方法や注意点、栄養価を損なわずに美味しく飲むコツを詳しく解説します。
これからプロテイン習慣を取り入れたい人も、すでに日常的に飲んでいる人も、より効果的に摂取するための参考にしてください。
プロテインはお湯で溶かしても大丈夫

基本的に、プロテインはお湯で溶かしても問題ありません。
ただし、温度管理やプロテインの種類によって注意すべき点があります。
正しい知識を持って適切に扱えば、栄養価を損なうことなく温かいプロテインを楽しむことができます。
お湯で溶かすと飲みやすくなる
温かい飲み物は体に優しく、特に寒い季節には嬉しいものです。
プロテインをお湯で溶かすことで、冷たい飲み物が苦手な方でも無理なく続けられます。
朝の起きがけや就寝前など、体を冷やしたくないタイミングでも気軽に摂取できるのは大きな利点です。
また、温かい飲み物は胃腸への刺激が少なく、消化吸収がスムーズに行われやすいというメリットもあります。
フレーバーによって向き不向きがある
ただし、すべてのフレーバーが温かい状態で美味しく飲めるわけではありません。
ココア味・カフェオレ味・抹茶味などは温めることで甘みが引き立ち、まるでカフェで飲むホットドリンクのような味わいを楽しめます。
一方で、フルーツ系やベリー系のフレーバーは、温めると酸味が強く感じられることがあります。
ベリー系や柑橘系の風味は冷たい状態の方が爽やかさを楽しめるため、ホットで飲む場合は避けた方が無難でしょう。
自分の好みに合わせてフレーバーを選ぶことが、継続のカギとなります。
お湯で溶かしてもOKだが温度には注意が必要
プロテインを溶かすお湯の温度が高すぎると、「熱変性」という現象が起こります。
熱変性とは、タンパク質の立体構造が変化することで、栄養価自体は変わらないものの、溶けにくさや飲みにくさに影響が出る可能性があります。
例えば、生卵を加熱すると白身や黄身が固まるのも熱変性の一例です。
プロテインの場合、種類によって熱変性が起こる温度が異なるため、適切な温度管理が重要になります。
一般的には60℃以下のぬるま湯を使用することで、熱変性を防ぎながら温かいプロテインを楽しむことができます。
お湯で溶かしたプロテインのメリット

プロテインを温めて飲むことには、冷たい状態では得られないさまざまなメリットがあります。
特に寒い季節や体調を整えたい時期には、ホットプロテインが強い味方になってくれます。
体を冷やさず代謝を保ちやすい
冷たい飲み物を摂取すると、体温が下がり基礎代謝が低下する可能性があります。
基礎代謝が下がると、脂肪が燃焼しにくくなったり、筋肉の成長ペースが落ちたりすることがあります。
温かいプロテインを飲むことで体が温まり、血流が良くなるため、代謝を高く保つことができます。
特に冬場のトレーニング後は体が冷えやすいため、温かいプロテインがおすすめです。
冷え性・胃腸の不快感を軽減できる
冷たい飲み物や食品は、胃腸に負担をかけることがあります。
特に冷え性の方や胃腸が弱い方にとって、冷たいプロテインは腹痛や下痢の原因になることも少なくありません。
温かいプロテインを摂取することで、胃の血流が改善され、消化がスムーズに行われます。
また胃もたれや不快感が軽減され、プロテインの栄養素をしっかりと体に取り込むことができます。
朝起きた直後や寝る前など、胃腸が敏感な時間帯にも安心して飲むことができます。
甘いフレーバーがよりおいしく感じる
温度によって味の感じ方は変わります。
ココア味やカフェオレ味・ミルクティー味などのフレーバーは、温めることで甘みがより引き立ち、風味が豊かになります。
まるでカフェで飲むホットチョコレートやラテのような満足感を得られるため、プロテインを飲む時間が楽しみになります。
またデザート感覚で楽しめるため、ダイエット中の甘いものへの欲求を満たすこともできます。
温かい飲み物は心も体もリラックスさせてくれるため、精神的な満足度も高まるでしょう。
冬でも続けやすい
トレーニングもプロテインも、継続することで効果を発揮します。
冬場に冷たいプロテインを無理して飲み続けると、ストレスが溜まり習慣が途切れてしまうことも考えられるでしょう。
温かいプロテインなら、寒い季節でも抵抗なく飲み続けることができます。
朝食の代わりや夜のリラックスタイムに取り入れることで、自然と生活習慣の一部になります。
無理なく続けられることが、理想的な体づくりへの近道となります。
お湯で溶かしたプロテインのデメリット
プロテインを温めることにはメリットがある一方で、いくつかの注意すべきデメリットも存在します。
これらを理解したうえで、適切に対処することが大切です。
タンパク質が熱変性する
タンパク質は、熱を加えることで、分子の立体構造が変化する熱変性という現象が起こります。
熱変性が起こっても栄養価自体は変わりませんが、プロテインの性質が変化することで溶けにくくなったり、飲みづらくなったりすることがあります。
プロテインの種類によって熱変性が起こる温度は異なり、ホエイプロテインは約70〜80℃、ソイプロテインとカゼインプロテインは約100℃以上で熱変性が起こるとされています。
プロテインがダマになりやすい
プロテインを温かい液体に溶かすと、ダマができやすくなる傾向があります。
ダマができると飲みにくくなったり、コップの底に塊が残って必要量を摂取できなくなったりすることがあります。
特に熱湯を直接プロテインパウダーに注ぐと、瞬時に表面が固まってしまい大きなダマができやすくなります。
ダマを防ぐためには、溶かし方や混ぜる順番などに工夫が必要です。
お湯割りにおすすめなプロテインの種類

プロテインにはいくつかの種類があり、それぞれ熱への耐性や特徴が異なります。
お湯で溶かす際は、プロテインの種類を理解したうえで選ぶことが大切です。
ホエイプロテイン
ホエイプロテインは牛乳から作られる動物性プロテインで、吸収速度が速くトレーニング後や朝食時に最適です。
ただし、熱変性が起こる温度が約70〜80℃と比較的低いため、お湯で溶かす際は特に注意が必要です。
沸騰したお湯や熱湯を使うのは避け、60℃以下のぬるま湯を使用するようにしましょう。
また、水や牛乳に溶かした状態で電子レンジで温めると、短時間で高温になりダマができやすくなるため注意が必要です。
ホエイプロテインは筋肉の回復をサポートするBCAA(分岐鎖アミノ酸)を豊富に含んでいるため、運動習慣のある方には特におすすめです。
ソイプロテイン
ソイプロテインは、大豆から作られる植物性プロテインです。
熱変性が起こる温度が約100℃以上と高いため、お湯で溶かす際の自由度が高いのが特徴です。
吸収速度がゆっくりで腹持ちが良いため、ダイエット中の方や間食の置き換えとして利用する方に人気があります。
またイソフラボンを含むため、女性ホルモンのバランスを整える効果も期待できます。
さらに、乳糖不耐症の方や牛乳アレルギーがある方でも安心して摂取できるのも大きなメリットです。
温めても風味が損なわれにくく、ホットプロテインとして楽しみやすい種類だと言えます。
カゼインプロテイン
カゼインプロテインは牛乳から作られる動物性プロテインで、ホエイプロテインと同じ原料ですが性質が異なります。
吸収速度が非常にゆっくりで、就寝前に摂取することで睡眠中の筋肉の分解を防ぐ効果が期待できます。
熱変性が起こる温度が約100℃以上と高いため、ソイプロテインと同様にお湯で溶かしやすい種類です。
満腹感が持続しやすいため、夜食の代わりや長時間食事が取れない時の栄養補給にも適しています。
温かいホットミルクのような味わいを楽しめるため、就寝前のリラックスタイムにぴったりです。
フレーバー別おすすめ
温かいプロテインを美味しく飲むためには、フレーバー選びが重要です。
ココア味は温めることでチョコレートドリンクのような濃厚な味わいになり、甘党の方に特におすすめです。
寒い朝や午後のおやつタイムに飲むと、心も体も温まります。
カフェオレ味は、まるでカフェで飲むラテのような本格的な風味を楽しめます。
コーヒーの香りとミルクのまろやかさが絶妙にマッチし、朝の目覚めの一杯としても最適です。
抹茶味は和風の落ち着いた味わいで、甘すぎるのが苦手な方におすすめです。
温めることで抹茶の香りが引き立ち、ほっと一息つける時間を演出してくれるでしょう。
お湯で割るプロテインの作り方
プロテインを温かく美味しく飲むためには、適切な作り方を知ることが重要です。
温度管理と溶かす順番、混ぜ方のコツを押さえることで、ダマができにくく栄養価も損なわれない理想的なホットプロテインを作ることができます。
理想的な温度は60℃以下
プロテインを温める際の理想的な温度は、人肌程度から60℃以下です。
この温度帯であれば、ほとんどのプロテインで熱変性を起こすことなく、快適に飲むことができます。
ただし、60℃だと飲用に適した温度とは言えないため、これより低い温度で溶かすようにしましょう。
温度計がない場合は、人肌よりやや温かい程度の温度を目安にすると良いでしょう。
ぬるま湯を使って粉を溶かす
プロテインを溶かす際は、まず適量のぬるま湯を用意します。
先にぬるま湯をコップやシェイカーに入れてからプロテインパウダーを加えることで、溶けやすくなります。
プロテイン1回分に対して通常150〜300mlの液体を使いますが、製品ごとの量に応じて調整してください。
プロテインパウダーを先に入れてからお湯を注ぐと、底に固まってしまい溶けにくくなることがあります。
電子レンジを使う場合は、プロテインを溶かしてから10秒ずつ様子を見ながら加熱すると良いでしょう。
一気に高温にすると熱変性やダマの原因になるため、少しずつ温めることが大切です。
プロテインをお湯で割る際には熱湯を使わない・直接シェイカーに入れない
熱湯を直接使うことは絶対に避けるべきです。
特に、シェイカーへ熱いお湯を入れて振ることは大変危険です。
密閉されたシェイカー内で熱による水蒸気が発生し、内圧が高まることで蓋が勢いよく外れたり、内容液が溢れ出たりする恐れがあります。
やけどの危険性もあるため、温かいプロテインを作る際はシェイカーではなく、スプーンやマドラーで混ぜる方法を選びましょう。
また沸騰したお湯をプロテインパウダーに注ぐと、表面が瞬時に固まって大きなダマができてしまいます。
熱変性が起こると、飲みにくくなってしまうでしょう。
スプーンまたは泡立て器を使ってダマ防止をする
ダマを防ぐためには、混ぜ方にも工夫が必要です。
スプーンやマドラーでかき混ぜる方法が最も安全ですが、しっかりと底からかき混ぜることが大切です。
底に沈んだプロテインパウダーを持ち上げるようにスプーンやマドラーを動かし、全体が均一になるまで混ぜましょう。
代わりに、小さな泡立て器を使って円を描くように混ぜると、ダマができにくくクリーミーな仕上がりになります。
プロテインをお湯で割るときの注意点

プロテインを温めて飲む際には、いくつかの注意すべきポイントがあります。
これらを守ることで、安全かつ効果的にホットプロテインを楽しめるでしょう。
栄養価を損なわない温度管理を行う
タンパク質自体は熱変性を起こしても栄養価は変わりませんが、プロテインに含まれるビタミン類の中には熱に弱いものがあるため注意が必要です。
特にビタミンCやビタミンB群の一部は、高温で加熱すると壊れやすい性質があります。
60℃以下の温度であれば、これらのビタミンもほとんど損なわれることなく摂取できるでしょう。
また、長時間保温し続けることも避けましょう。
作ったらすぐに飲むことが、栄養価を最大限に保つコツです。
温度計を使って正確に管理することが理想ですが、難しい場合は人肌より少し温かい程度を目安にすると良いでしょう。
混ぜる順番を間違えない
プロテインを溶かす際の順番は、溶けやすさに大きく影響します。
基本的には、「液体を先に入れてから粉を加える」という順番がおすすめです。
先にお湯を入れることで、プロテインパウダーが液体に浮かび、全体に分散しやすくなります。
逆に粉を先に入れると底に沈んで固まってしまい、いくら混ぜても溶けにくくなることがあります。
特に温かいお湯を使う場合は、この順番がより重要になります。
熱湯を避け、ぬるま湯で少量ずつプロテインを加えながら混ぜることで、ダマができにくくなるでしょう。
金属製カップ・シェイカー使用時の注意点
金属製のカップやシェイカーを使う場合は、いくつかの注意点があります。
金属は熱伝導率が高いため、熱いお湯を入れると容器自体が非常に熱くなり、持つことができなくなったりやけどしたりなどの危険があります。
プラスチック製のシェイカーも耐熱温度を確認する必要があります。
多くのシェイカーは80〜100℃程度までしか耐えられないため、高温のお湯を入れると変形や破損の恐れがあります。
温かいプロテインを作る際は、耐熱性のあるマグカップやグラスを使用することをおすすめします。
お湯で割るときの衛生面について
温かいプロテインは、冷たいものに比べて雑菌が繁殖しやすい環境です。
作ってから時間が経過すると細菌が増殖する可能性があるため、できるだけ早く飲み切ることが大切です。
特に室温で放置することは避け、30分以内に飲み切るようにしましょう。
また、余ったプロテインを後で飲もうと保存することも衛生上おすすめできません。
毎回必要な分だけを作ることが、安全に楽しむための基本です。
さらに、使用したコップやスプーンはすぐに洗うようにし、清潔な状態を保つことも重要です。
お湯割り以外のおすすめな飲み方

プロテインを温かく楽しむ方法は、お湯で溶かすだけではありません。
アレンジを加えることで、さらに美味しく栄養価の高い飲み方ができます。
ホットミルクプロテイン
牛乳や豆乳を温めてプロテインを溶かす方法は、まろやかで栄養価も高くなります。
牛乳にはカルシウムやビタミンDが豊富に含まれており、プロテインと組み合わせることで骨や筋肉の健康をサポートします。
また豆乳を使えば、乳糖不耐症の方でも安心して飲むことができます。
温める際は、牛乳や豆乳を人肌程度に温めてからプロテインを加えると良いでしょう。
電子レンジで温める場合は、吹きこぼれないように様子を見ながら10秒ずつ加熱してください。
ココア味やバニラ味のプロテインとの相性が特に良く、デザート感覚で楽しめるでしょう。
コーヒーやココアとのブレンド
プロテインをコーヒーやココアと混ぜることで、カフェのような本格的な味わいを楽しめます。
温かいコーヒーにバニラ味やチョコレート味のプロテインを加えると、プロテインラテの完成です。
コーヒーに含まれるカフェインは脂肪燃焼効果を高めるため、ダイエット中の方にもおすすめです。
またココアと混ぜる場合は、ココア味のプロテインを使うことでより濃厚なチョコレートドリンクになります。
さらに純ココアパウダーを追加すれば、ポリフェノールも摂取できて健康効果がアップするでしょう。
オートミールやスープに混ぜる
プロテインは飲み物だけでなく、食事に混ぜることもできます。
オートミールに温かい牛乳とプロテインを混ぜると、朝食にぴったりの栄養満点メニューになります。
さらにバナナやナッツ・はちみつなどをトッピングすれば、さらに美味しく食べ応えのある一品になるでしょう。
またオートミールは食物繊維が豊富で腹持ちが良いため、ダイエット中の朝食としても最適です。
温かいスープにプロテインを混ぜる方法もあります。
コーンクリームスープやパンプキンスープなど、クリーミーなスープにナチュラル味なのプロテインを加えると、タンパク質を手軽に補給できます。
寒い日の夕食や夜食として、体を温めながら栄養を摂取できるでしょう。
まとめ
プロテインをお湯で溶かしても、適切な温度管理と溶かし方を守れば栄養価は損なわれません。
60℃以下のぬるま湯を使い、液体を先に入れてから粉を加えることで、ダマができにくく美味しいホットプロテインを作ることができます。
温かいプロテインには、体を冷やさず代謝を保ちやすい・冷え性や胃腸の不快感を軽減できる・甘いフレーバーがより美味しく感じられる・冬でも続けやすいといった多くのメリットがあります。
一方で、タンパク質の熱変性やダマができやすいというデメリットもあるため、温度管理と作り方には注意が必要です。
自分に合ったプロテインを選び、温度や作り方に気を付けることで、無理なく続けることが理想的な体づくりへの第一歩となります。
寒い季節も温かいプロテインで、快適に健康的な生活を送りましょう。













