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タンパク質は太る?正しい摂り方とポイントを解説

「タンパク質を摂ると太るのでは?」「プロテインを飲み始めてから体重が増えた気がする…」
このような不安を感じている方は少なくありません。

タンパク質は筋肉や臓器・肌などを作る重要な栄養素ですが、ご自身に合わない摂り方を続けると体重増加につながる可能性があります。

本記事では、タンパク質と体重の関係や摂取の目安、太らないための摂り方などを紹介します。

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タンパク質は太らない

体型を気にする女性

タンパク質は、私たちの体を作る大切な栄養素です。

「タンパク質を摂ると太るのでは?」という心配される方も少なくありませんが、タンパク質そのものが直接的な体重増加の原因になるわけではありません。

体重が増える本当の理由は、1日の総摂取カロリーが消費カロリーを上回ることにあります。
タンパク質は1gあたり4kcalのエネルギーを持ちますが、これは炭水化物と同じエネルギー量です。

タンパク質には、他の栄養素と比べて消化・吸収に時間がかかるため、血糖値を急激に上げにくいという特徴があり、また筋肉の材料となる栄養素であることから、適切に摂取することで筋肉量の維持や増加をサポートすることが期待できます。
筋肉量が増えれば基礎代謝が上がり、結果的に太りにくい体質づくりに役立つでしょう。

つまり、タンパク質自体が太る原因なのではなく、食べ方や選び方に問題があるケースがほとんどなのです。

タンパク質で太る理由

唐揚げが揚がる様子

タンパク質は体に必要な栄養素ですが、摂取の仕方によっては体重増加につながることがあります。
ここでは、タンパク質を摂ることで太ってしまう主な理由について詳しく解説します。

タンパク質の摂りすぎ

タンパク質も他の栄養素と同様に、必要以上に摂取すればカロリーオーバーになります。

タンパク質は1gあたり4kcalのエネルギーを持っており、摂取量が消費量を上回れば、余ったエネルギーは体脂肪として蓄積される可能性があります。
「タンパク質は筋肉になるから太らない」という誤解から、必要以上に摂取してしまう方も少なくありません。
しかし実際には、体が必要とする量を超えたタンパク質は、エネルギー源として使われない場合に脂肪として蓄えられる可能性があります。

特に、運動をしていない場合や、食事だけで十分なタンパク質を摂取している上にプロテインを追加している場合は、過剰摂取になりやすいため注意が必要です。

脂質もあわせて摂取している

タンパク質を多く含む食材には、脂質も豊富に含まれているものがあります。

肉類、魚類、卵、乳製品などの動物性タンパク質源には、脂質が同時に含まれています。
タンパク質は1gあたり4kcalですが、脂質は1gあたり9kcalとタンパク質の2倍以上のエネルギーを持っています。

例えば、国産牛ヒレ肉100gには約15gの脂質が含まれており、輸入牛ヒレ肉の約3倍になります。
また、鶏むね肉も皮付きと皮なしでは約100kcalの差があり、この差は速歩30分の運動量に相当します。

タンパク質を意識するあまり、同時に摂取している脂質の量を見落としてしまうと、知らず知らずのうちにカロリーオーバーになってしまうのです。

調理に使用する油の量が多い

調理方法によっても、摂取カロリーは大きく変わります。

揚げ物や炒め物など油を多く使う調理法では、食材そのもののカロリーに加えて調理油のカロリーも摂取することになります。
油は1gあたり9kcalと高カロリーであり、揚げ物にすることで食材のカロリーが大幅に増加します。

例えば、同じ鶏肉でも唐揚げにするよりも、蒸し鶏や茹で鶏にした方が摂取カロリーを抑えることができます。
また、炒め物でも使用する油の量を減らしたり、テフロン加工のフライパンを使用したりすることで、余分な脂質の摂取を避けることができます。

タンパク質を摂取する際は、食材だけでなく調理方法にも注意を払うことが大切です。

タンパク質不足

意外に思われるかもしれませんが、タンパク質を摂取しているものの、その量が不足している場合も太る原因になる可能性があります。

タンパク質が不足すると、体は筋肉を分解してアミノ酸を作り出します。
その結果、筋肉量が減少することで基礎代謝が低下してしまう可能性があります。

基礎代謝とは、生命維持のために必要なエネルギーのことで、呼吸や体温維持・内臓の働きなどに使われます。
筋肉は体の組織の中で最もエネルギー代謝量が多い器官であり、筋肉量が減ると1日の消費カロリーが減少する可能性があります。
すると、同じ量を食べても消費できるエネルギーが少なくなるため、太りやすい体質になってしまう可能性があるのです。

また、タンパク質が不足すると空腹感を感じやすくなり、間食や食べ過ぎにつながることもあります。
ダイエット中にタンパク質を減らしすぎると、かえって痩せにくい体を作ってしまう可能性があることにも注意が必要です。

太らないタンパク質の摂り方

蒸した鶏むね肉

タンパク質は体に必要な栄養素ですが、摂り方しだいで体重管理に大きく影響します。
ここでは、太らないためのタンパク質の賢い摂り方について、日々の食生活に取り入れやすい方法を具体的にご紹介します。

自分に必要なタンパク質量を把握する

まず、自分に必要なタンパク質量を正確に把握することが重要です。
必要なタンパク質量は、年齢・性別・活動量によって異なります。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、成人のタンパク質推奨量は以下のように定められています。

・成人男性の場合:18~64歳は1日65g、65~74歳は60g、75歳以上は60g
・成人女性の場合:18~64歳は1日50g、65~74歳は50g、75歳以上は45g

また、運動習慣がない人は体重×0.95g、週1回以上の運動習慣がある人は体重×1.62gが目安となります。
例えば、体重60kgで週に数回運動をしている方なら、1日あたり約97gのタンパク質が必要です。
筋トレなどを行っている場合は、体重1kgあたり1.2g~1.7gのタンパク質摂取が推奨されます。
自分の生活スタイルに合わせて必要量を計算し、過不足なく摂取するようにしましょう。

高タンパク・低脂質のものを選ぶ

タンパク質を効率よく摂取するには、高タンパク・低脂質の食材を選ぶことがポイントです。

鶏むね肉(皮なし)・鶏ささみ・輸入牛赤身肉などは、タンパク質が豊富で脂質が少ない優秀な食材です。
また魚介類では、春獲りカツオ・アジ・タラ・エビ・イカなどが高タンパク・低脂質でおすすめです。

ただし、脂ののった魚は脂質が多いため、食べる頻度に注意しましょう。
また、動物性タンパク質だけでなく、豆腐・納豆・豆乳などの植物性タンパク質もバランスよく取り入れることが大切です。
植物性タンパク質は一般的に脂質が少なく、食物繊維も豊富に含まれているため、腸内環境のサポートにも役立つ可能性があります。

乳製品では、低脂肪ヨーグルトやカッテージチーズなどを選ぶと、タンパク質を摂りながら脂質を抑えられます。

調理方法を見直す

同じ食材でも、調理方法によってカロリーは大きく変わります。

揚げる・炒めるよりも、蒸す・煮る・焼く(網焼き)といった調理法を選ぶことで、余分な脂質の摂取を避けることができます。

肉類は調理前に脂身や皮を取り除くことで、さらにカロリーを抑えられます。
また、下茹でや湯通しをすることで、食材に含まれる余分な脂質を落とすことができます。
鶏むね肉は下茹でしておくことで脂質がカットでき、パサつきも抑えられるため一石二鳥です。

調理に油を使う場合は、オリーブ油や菜種油など質の良い油を選び、使用量を最小限に抑えましょう。
焦げ付きにくい加工をされたフライパンを使用すれば、油をほとんど使わずに調理することも可能です。
電子レンジを活用した蒸し料理も、手軽で余分な油を使わずに済むのでおすすめです。

運動と合わせて摂る

タンパク質を効果的に活用するには、運動と組み合わせることが重要です。
特に筋力トレーニングを行うことで、摂取したタンパク質が筋肉の合成に使われやすくなる可能性があります。運動後30分から1時間以内にタンパク質を摂取すると、筋肉の回復や成長のサポートに役立つことが期待できます。

激しい筋トレを行った場合、体重60kgの方なら30分で約150kcalを消費します。
この場合、筋トレ後に鶏むね肉100g(約105kcal)を食べても、筋肉の回復に使われるため問題ありません。
逆に、運動をせずにタンパク質だけを大量に摂取しても、余ったエネルギーは脂肪として蓄積される可能性があります。

ウォーキングやジョギング・ストレッチなど、自分に合った運動を継続的に行うことで、タンパク質の働きを最大限に活かすことが期待できます。
継続した運動によって筋肉量が増えれば基礎代謝が上がり、太りにくく痩せやすい体質づくりをサポートしてくれるでしょう。

タンパク質の摂取量目安

電卓で食材のカロリー計算をする人

適切なタンパク質量を摂取するためには、自分に合った方法を知っておくことが大切です。
タンパク質に期待できる効果を十分に得られるよう、ご自身の生活スタイルに合わせて選んでみてください。

健康状態に不安がある場合は医師に相談をする

食事から栄養を摂る場合、特定の栄養素だけに頼ることは避け、さまざまな食品からバランスよく栄養素を取り入れることが、健康な毎日を過ごすカギです。

一般的には、体重1kgあたり2gのタンパク質が上限の摂取量目安とされており、一般成人では体重1kgあたり0.8〜1g、幼児や成長期の子どもでは1.2〜1.5g/体重1kgあたりを目安に摂りましょう。
また高齢者や妊娠・授乳中の方は、幼児期や成長期と同じ程度の1.2〜1.5g/体重1kgが目安です。

過剰摂取にならないよう、食品に含まれるタンパク質量やご自身の体重・活動量を確認したうえで、毎日の食事で質の良いものを摂るようにしましょう。

健康状態に不安がある場合は医師に相談をする

健康な人がタンパク質を摂ることに問題はないものの、腎臓機能に不安がある方や治療を行っている方は十分な注意が必要です。

特に服薬や食事指導による制限がある場合は、医師の指示に従った量を摂るようにしましょう。

まとめ

「タンパク質を摂ると太る」という不安は、正しい知識と摂り方を知ることで解消できます。

タンパク質そのものが太る原因なのではなく、摂りすぎや脂質の多い食材の選択・調理方法・運動不足などが体重増加につながっていることがほとんどです。
逆に、タンパク質不足は筋肉量の減少を招き、基礎代謝が低下して太りやすい体質になってしまう可能性があります。

大切なのは、自分に必要なタンパク質量を把握し、高タンパク・低脂質の食材を選び、適切な調理方法で摂取することです。
また、運動と組み合わせることで、タンパク質は筋肉の材料として効率よく使われ、太りにくい体づくりをサポートしてくれます。

正しいタンパク質の摂り方を実践して、健康的で理想的な体づくりを目指しましょう。

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