タンパク質が不足するとどうなる?症状や身体のサインと対策を紹介
「最近、なんとなく疲れが抜けない」「肌や髪の調子がいまいち」「食事に気をつけているのに体型が変わらない」そんなふうに感じることが続いていませんか?
もしかすると、タンパク質不足がその一因になっているかもしれません。
タンパク質は筋肉や肌、髪、体の抵抗力を支える成分など、体のあらゆる部分の材料となる大切な栄養素です。
不足すると全身にじわじわと影響が広がっていきますが、「加齢のせい」「疲れのせい」と見過ごされやすいのが、タンパク質不足のやっかいなところでもあります。
この記事では、タンパク質が不足したときに体に起こりやすい変化と、今日からできる無理のない見直し方を、できるだけわかりやすくお伝えしていきます。
ぜひ最後まで読んでみてください。
【セルフチェック】これって、タンパク質不足のサイン?

タンパク質が不足しているとき、体はさまざまなサインを出してくれています。ただ、そのサインは「なんとなく疲れやすい」「肌の調子がいまいち」など、日常のなかで感じやすい不調と重なることが多く、なかなか気づきにくいのが現状です。
まずは以下の項目を見ながら、思い当たることがないかチェックしてみてください。
・ダイエット中で、肉や魚を控えめにしている
・朝食を食べない、または軽食(パンやおにぎりだけ)で済ませることが多い
・忙しくて食事が不規則になりがちで、外食やコンビニ食が続いている
・肌のハリやツヤが失われてきた、または乾燥しやすくなったと感じる
・髪にコシやツヤがなくなってきた、枝毛や切れ毛が増えた気がする
・爪が割れやすくなった、または爪に縦線が入るようになった
・なんとなく疲れやすく、やる気や集中力が続かない日が多い
・体を動かしていないのに、肩こりや腰痛が慢性化している
ひとつでも思い当たる項目があれば、タンパク質が十分に摂れていない可能性があります。「食事には気をつけているつもり」という方も、カロリーや脂質を意識するあまり、知らず知らずタンパク質が不足してしまっているケースは少なくありません。
タンパク質が不足すると起こる症状

タンパク質は体のあらゆる部分の材料となっているため、不足すると全身にさまざまな影響が及んでいきます。
ここでひとつ知っておいていただきたいのが、体には、タンパク質が不足したとき生命維持に必要な部位への供給を優先するという仕組みがあるという点です。
内臓や血液など、生きていくうえで欠かせない部位への供給が優先される一方で、肌・髪・爪といった外見に関わるパーツへの供給は後回しになってしまいます。
つまり、肌や髪の変化はタンパク質不足のわかりやすいサインでもあるのです。
以下では、タンパク質不足によって起こりやすい症状を、ひとつずつやさしく解説していきます。
筋力の低下・太りやすい体質への変化
タンパク質が不足すると、体はエネルギーを補おうとして筋肉を分解してエネルギー源として使うようになります。
その結果、筋肉量が少しずつ減っていきます。
筋肉は、安静にしていても一定のエネルギーを消費してくれる組織です。
筋肉量が減ると1日に消費するエネルギーの総量が減り、同じ食事量でも脂肪が蓄積されやすい体質へと変化していく可能性があります。
「食事に気をつけているのになかなか痩せない」「ダイエットをしているのに体型が変わらない」と感じている方のなかには、タンパク質不足による筋肉量の低下と、それにともなう消費エネルギーの減少が一因となっているケースも考えられます。
脂質や糖質だけを意識して制限していても、タンパク質が不足していると、かえって太りやすい体質をつくってしまう悪循環に陥りやすくなります。
体型が気になる方こそ、タンパク質を意識してみてください。
肌や髪・爪のトラブル
肌のハリや弾力を支えるコラーゲン・エラスチン、髪の毛の主成分であるケラチンは、すべてタンパク質からつくられています。
タンパク質が不足すると、体は生命維持に直結する臓器や血液への供給を優先するため、肌、髪、爪へはなかなかタンパク質が届きにくくなってしまいます。
その結果として起こりやすいのが、肌のツヤやハリの低下、シワ・たるみ・くすみ、髪の枝毛・切れ毛・コシのなさ、爪の割れや縦線といったトラブルです。
丁寧にスキンケアをしているのに肌の調子がなかなか整わない、ヘアケアを頑張っているのに髪の状態が良くならないと感じている方は、食事から摂るタンパク質の量を一度振り返ってみると、新しい気づきがあるかもしれません。
疲れやすさ・集中力・思考力への影響
やる気を引き出してくれるドーパミンや、気持ちをやさしく安定させてくれるセロトニンなどの神経伝達物質は、タンパク質を構成するアミノ酸を原料として脳内でつくられます。
タンパク質が不足すると、これらの神経伝達物質が十分につくられにくくなり、脳の働きが鈍くなる可能性があります。
具体的には、集中力や思考力の低下、なんとなくぼんやりしてしまう、やる気が出ない、イライラしやすい、気分が落ち込みやすいといった変化として現れることがあります。
また、セロトニンは睡眠に必要なメラトニンの材料にもなるため、タンパク質不足が睡眠の質に影響する可能性も考えられます。
「最近、なんとなく気持ちが沈みがち」「朝起きても疲れが抜けない」と感じている方は、日々の食事のなかのタンパク質量を少し意識してみることが、心地よい毎日への一歩になるかもしれません。
体調を崩しやすくなる(免疫・むくみへの関与)
体を守る働きをしてくれる細胞や成分も、タンパク質を材料としてつくられています。
タンパク質が不足すると、これらの細胞や成分がつくられにくくなり、体本来の防御機能が十分に働きにくくなる可能性があります。
その結果として、体調を崩しやすくなったり、回復に時間がかかりやすくなったりすることが考えられます。
また、体内の水分バランスをやさしく調えてくれる役割もタンパク質が担っています。
タンパク質が不足すると血液中のタンパク質濃度が下がり、血管内の水分が血管の外へ染み出しやすくなります。
この水分が皮膚の下に溜まることで、むくみとして現れることがあります。
「水分の摂りすぎかな?」と思っていたむくみが、実はタンパク質不足からきている場合もありますので、ぜひ食事の内容を振り返ってみてください。
精神面・ホルモンバランスの不調
タンパク質不足は、精神面や体内のさまざまなリズムにも影響を及ぼす可能性があります。
タンパク質が慢性的に不足すると、体内のリズムや働きが乱れやすくなる一因になると考えられています。
とくに女性は体内のリズムが変動しやすい時期があるため、タンパク質不足がその乱れをさらに助長する可能性があります。
また、気持ちの安定をやさしくサポートしてくれるセロトニンは、必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンを原料としてつくられます。
トリプトファンは体内で合成できないため、毎日の食事からしっかり摂ることが大切です。
タンパク質が不足してトリプトファンの供給が滞ると、セロトニンがつくられにくくなり、気分の落ち込み、不安感、イライラ、気力の低下といった精神面の変化として現れやすくなります。
「理由もなく気分が沈む」「特定の時期に気持ちの波が大きい」と感じている方は、日々のタンパク質摂取を振り返ってみることが、心のバランスを整えるヒントになるかもしれません。
肩こり・腰痛との関係
肩こりや腰痛は、デスクワークや姿勢の悪さが原因と思われがちですが、タンパク質不足による筋肉の質の低下が一因となっている場合もあります。
筋肉は毎日少しずつ古いものが分解され、新しいものへと作り替えられています。
タンパク質が不足しているとこの作り替えが滞り、老廃物が筋肉内に蓄積されやすくなります。
その結果、筋肉の質が低下して血のめぐりが滞りやすくなり、肩こりや腰痛につながる可能性があります。
また、筋力が低下することで正しい姿勢を保ちにくくなり、体の特定の部位に負担が集中することも、慢性的なこりや痛みの一因と考えられます。
マッサージや整体に通っても改善しにくいとお感じの方は、食事からのタンパク質という観点から日常を見直してみることも、ひとつの選択肢としておすすめです。
1日に必要なタンパク質の量と三大栄養素バランスの目安

「実際、毎日どのくらいのタンパク質を摂ればいいの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、18歳以上の女性のタンパク質推奨量は1日あたり50gとされています。
これを1食あたりに換算すると、約16〜17gが目安となります。
ただし、この推奨量はあくまで不足を避けるための最低限の量という性質のものです。
活動量や体格、体調によって必要量は異なりますので、ご自身のペースで少しずつ意識してみてください。
| 性別 | 年齢 | 1日の推奨量 |
|---|---|---|
| 女性 | 18〜64歳 | 50g |
| 女性 | 65歳以上 | 50g |
| 男性 | 18〜64歳 | 65g |
| 男性 | 65歳以上 | 60g |
また、同基準ではタンパク質の摂取量の目標として、1日の総エネルギーに占める割合を13〜20%とすることが示されています。
タンパク質だけを意識するのではなく、炭水化物(50〜65%)、脂質(20〜30%)とのバランスを整えることも、心地よい食習慣の基本となります。
主食、主菜、副菜の3つを揃えた食事を心がけることが、このバランスを自然に整えてくれる近道といえます。
タンパク質不足を補う方法

タンパク質不足を補うためには、まず、毎日の食事のなかでタンパク質を多く含む食品を無理なく取り入れていくことが基本です。
以下に、日常の食卓で活用しやすい主なタンパク質源と、100gあたりのタンパク質量の目安をまとめました。
ぜひ参考にしてみてください。
| 食品 | タンパク質量(100gあたり) |
|---|---|
| 鶏むね肉(皮なし) | 約23g |
| サケ(鮭) | 約22g |
| 卵(1個・約50g) | 約6g |
| 木綿豆腐 | 約7g |
| 納豆(1パック・約40g) | 約7g |
| プレーンヨーグルト | 約4g |
食事からタンパク質を上手に摂るためのポイントは、動物性と植物性のタンパク質をバランスよく組み合わせることです。
肉・魚・卵などの動物性タンパク質は必須アミノ酸をバランスよく含んでいる一方、大豆・豆腐・納豆などの植物性タンパク質は食物繊維やミネラルも一緒に摂れるという嬉しい特徴があります。
どちらか一方に偏るのではなく、両方を上手に取り入れることで、より自然なかたちで体をサポートできます。
また、食事だけでは必要量を満たしにくいと感じる場合には、プロテイン(タンパク質補助食品)を気軽に活用することも選択肢のひとつです。
忙しい日の朝食の補助として、また間食の代わりとして取り入れると、無理なく日々の摂取量をサポートしやすくなります。
ただし、長期間にわたって過剰に摂り続けると、体への負担が生じる可能性もあります。
あくまで食事を中心とした、補助的な活用をおすすめします。
なお、服薬による治療をしている方や、血液・腎臓に関する疾患の既往がある方は、摂取量について医療機関にご相談のうえご活用ください。
今日の食卓からできる、無理のないタンパク質の摂り方のコツ

タンパク質を意識した食事というと、「毎食しっかり肉や魚を食べなければ」と少し構えてしまう方もいるかもしれません。
しかし、大切なのは完璧な食事ではなく、毎日続けられる小さな積み重ねです。
以下のポイントを参考に、今日の食卓からできることを少しずつ試してみてください。
主菜を毎食意識する
主食・主菜・副菜の3つを揃えることを、食事の基本にしてみましょう。
主菜(肉・魚・卵・大豆製品を使った料理)を毎食1品加えるだけで、1日のタンパク質量を自然に増やしやすくなります。
朝食にタンパク質をプラスする
「朝はトーストだけ」という方は、卵料理や豆腐、ヨーグルト、チーズなどをひと品加えるだけで、朝のタンパク質量をぐっと底上げできます。
朝食でのタンパク質補給は、1日のエネルギーバランスを整えるうえでも、取り入れやすい習慣のひとつです。
間食をタンパク質に置き換える
お菓子やスナックの代わりに、ゆで卵・チーズ・無糖のヨーグルト・豆乳・枝豆などをおやつとして取り入れてみるのはいかがでしょうか。
自然と1日のタンパク質量を補いながら、ちょっとした幸せ感も味わえます。
食材の種類を毎食変える
朝は卵、昼は大豆製品、夜は魚というように、食材の種類を変えることでアミノ酸のバランスが整いやすくなり、体への吸収もスムーズになります。
献立のちょっとした変化を、楽しみながら取り入れてみてください。
毎日の食事を少し意識するだけで、タンパク質不足の解消に向けて自然に近づいていけます。「今日の夕食に魚を1品足してみよう」「明日の朝は卵を追加してみよう」そんな小さな一歩で十分です。
食習慣は一度に変えようとすると続きにくくなります。
できることから、無理なく、ご自分のペースで。
それが、長く心地よく過ごすための食卓づくりの基本だと考えています。
まとめ
タンパク質は、筋肉や肌、髪、爪、体の防御機能を支える成分、神経伝達物質など、体を作り・動かし・守るすべての材料となる、毎日の食卓に欠かせない栄養素です。
不足すると、筋力の低下や太りやすい体質への変化、肌や髪のトラブル、集中力の低下、体の防御機能やむくみへの影響、肩こり・腰痛、さらには精神面や体内リズムの乱れにつながる可能性があります。
厚生労働省の基準では、18歳以上の女性の1日の推奨量は50gとされています。
毎食約16〜17gを目安に、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などをバランスよく組み合わせて摂ることが、不足を防ぐための自然な第一歩となります。
「なんとなく感じていた不調」が、実はタンパク質不足のサインだったということは珍しくありません。
完璧な食事を目指すのではなく、今日の食卓にひと品タンパク質を足すところから、一緒に始めてみませんか。
きっと、毎日の体の調子が少しずつ変わってくるのを感じていただけると思います。
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