近年、米の価格上昇や供給が不安定なことから、備蓄米への注目が集まっています。特にネット通販では、政府の備蓄米や長期保存米などを家庭用に購入する動きも増えてきました。しかし、一方で「備蓄米はまずい」「古米は美味しくない?」といった声が聞かれるのも事実です。また、備蓄の経過年数1年ごとに「古」を増やし、3年以上の備蓄米は「古古古米」と表現され、世間で不安の声も広がっています。そこでこの記事では、楽天やAmazonなどのネットショップでも販売が始まった備蓄米に関して、そうした声の背景にある理由や、実際の味に関する評価、そして美味しく食べるための工夫まで、現代の状況を踏まえながらわかりやすく解説します。
政府備蓄米とは?

政府備蓄米とは、万が一の事態に備えて国が保管しているお米のことです。地震や水害などの自然災害、あるいは国際情勢の影響で国内の米が不足したときに、価格を安定させたり食糧を確保したりする目的で活用されます。
政府の備蓄米は、一定期間を過ぎると新しいお米と入れ替える「5年ルール」が設けられており、古くなったお米は飼料などに再利用される仕組みです。この入れ替え制度によって、備蓄されるお米の品質は常に一定のレベルに保たれています。
保管環境も徹底されており、15℃以下の低温・低湿の施設で密封保存されるほか、定期的に品質チェックが行われています。カビや異臭の原因となる成分の検査も含まれており、長期間保存しても安心して利用できるよう配慮されています。
備蓄米が美味しくないと言われている理由
いざという時に役立つ備蓄米ですが、実際に食べてみた方の中には「美味しくない」「古米だからまずい」と感じる方もいるようです。その背景には、いくつかの理由があります。
お米の長期保存による乾燥と酸化
備蓄米は数年単位で保管されるため、時間の経過とともに水分が少しずつ抜けてしまいます。お米が乾燥することで、炊き上がったときのふっくら感やモチモチ感が損なわれることがあります。また、お米は参加すると風味が落ち、その香りが気になる場合もあります。
品種や精米方法の違い
家庭で食べ慣れているお米と品種が異なる場合、味や食感に違和感を覚えることがあります。また、備蓄米は長期保存に適した精米方法が採用されていることが多く、これが風味の変化に影響を与える可能性があります。
参照元
古米に現れる特有の古米臭
長く保存されたお米には、いわゆる「古米臭」と呼ばれる独特のにおいが出る場合があります。これは、お米の成分がゆっくりと変化することで起こる自然な現象です。安全性に問題ありませんが、においに敏感な方は気になることもあるそうです。
調理法や保存状態の影響
備蓄米をおいしく食べるには、少し工夫が必要です。例えば、研ぎ方や浸水時間を工夫することで、風味を引き出せることもあります。反対に、保存環境が適切でなかった場合には、お米の劣化が進み、味が落ちてしまうことも考えられます。
楽天やAmazonの備蓄米は実際に美味しくないの?

「備蓄米って本当に美味しくないの?」という声もあれば「思ったより普通に食べられる」という声もあります。ここでは、客観的な評価や実際に食べた人の声をもとに、その実情を見ていきましょう。
専門家による客観評価
お米の品質や味わいについては、専門機関や料理研究家などが評価を行うこともあります。備蓄米の中にも、食味試験で高評価を受けているものがあり、保存期間が長くても一定の美味しさを保てるよう工夫されています。とくに炊き方や用途に応じた工夫をすれば、十分に満足できる味と評価されるケースも少なくありません。
主観と心理要因の影響
ネットやニュースでは、備蓄米をネガティブなイメージで取り上げることもあります。そうした情報によって、味に対する期待値が下がってしまうことも。パッケージの印象や保存期間の長さが先入観を生んでしまうと、美味しさを感じられない可能性があります。つまり、こうした評価は主観的な判断に大きく左右される側面があります。
消費者の実食体験談
実際に楽天やAmazonなどで購入した人のレビューを見ると「思っていたよりも美味しい」「ふだんのお米とそこまで変わらない」といった声もあります。また「少しパサつきを感じた」「香りが気になる」といった意見も見られます。感じ方には個人差があり、炊き方や使い方次第でも食べたときの印象は大きく変わるようです。
実際に食べた方の声
まだまだ放出されて間もない備蓄米ですが、すでに一度食べられた方の感想もネット上では散見されています。とても美味しいという評価は多くありませんが、食べるのに支障がでるほどの問題があるという意見は少ないようです。
備蓄米を美味しく食べる炊き方のコツ

備蓄米や古米を美味しく食べるには、ちょっとした工夫が役立ちます。炊き方や保存方法を見直すだけでも、ふっくらとした食感や香りを感じやすくなります。
お米の研ぎ方を工夫する
古米は新米よりも繊細な状態になっているため、研ぐときは力加減が大切です。特に最初の水は、においがお米に移らないようすぐに捨てるのがポイント。ゴシゴシこすらず、優しく水を替えながら洗えば、古米臭を抑えつつ米粒の割れを防げます。
浸水時間と水加減を増やす
乾燥しがちな古米には、しっかり水を吸わせることが大切です。季節によっても異なりますが、夏場は30分以上、冬は1〜2時間ほどを目安に浸水させると良いでしょう。炊飯時の水は普段より1〜2割ほど多めにすれば、芯までしっとり炊き上がります。
冷水や氷を使って炊く
炊くときに冷たい水や氷を使うと、ごはんの甘みを引き出しやすくなります。水温が低い状態からゆっくり加熱されることで、デンプンの糖化が進むためです。1合に氷2個ほどを入れて炊くと、モチモチとした食感になります。
炊き立てをすぐ食べる
炊飯後は、なるべく早く食べるのが理想的です。保温状態が長く続くと、ごはんの乾燥が進み、においも強くなってしまいます。余った分はすぐに小分けして冷凍保存することで、美味しさをキープできます。解凍する時は、電子レンジで温めると、炊き立てのような食感で食べることが可能です。
備蓄米の炊飯時に食材を足す
備蓄米に美味しさを感じられなければ、美味しく食べられる食材を追加しましょう。食感や栄養をプラスできる「雑穀米」や、お肉・野菜・魚介などの具材と炊飯するだけで料理として成立する「炊き込みご飯」など、その組み合わせはアイディア次第です。
また、タマチャンショップの運営するコミュニティサイト「タマリバ」では、「古米に寒天を足すことでご飯が美味しくなった!」という意見があります。水分を保持する性質の寒天が溶け、ご飯をコーティングすることで水分を保ち、ふっくらとした食感になります。
タマチャンショップ流・備蓄米を美味しくするポイント3選
「なんとなく味が悪いかも…」と感じる備蓄米や古米でも、ちょっとした工夫でおいしさを引き出すことができます。以下では、タマチャンショップ流の2つの方法をご紹介します。
備蓄米に雑穀米をまぜて炊く
備蓄米に雑穀米を加えて炊くことで、味わいと栄養価の両面がぐんとアップします。雑穀は、食感に変化を与えるだけでなく、香ばしさや旨味をプラスしてくれる優れた素材です。とくに、タマチャンショップで人気の「三十雑穀」は、白米に加えるだけで手軽に雑穀ごはんが楽しめるよう設計されており、備蓄米特有の風味をマイルドに整えてくれます。
また「三十雑穀(美)」には、寒天やマンナンなども含まれており、これらが炊飯時の水分をしっかり保持してくれるため、ごはんがふっくらと炊きあがるのも特長です。古米や長期保存された備蓄米は水分が抜けやすく、炊き上がりが硬くなりがちですが、こうした保水性のある素材を加えることで、やわらかく、つやのある食感が生まれます。
美味しく美と健康も守れるタマチャンショップの三十雑穀

体に優しい商品や健康食品を取り扱う『タマチャンショップ』では、30種類もの雑穀を含む「三十雑穀」が人気です。毎日のごはんにプラスするだけで手軽に美味しい雑穀米がつくれますので、古米や備蓄米を食べる際もぜひお試しください。


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備蓄米にもち米をプラスする
備蓄米を炊く際、その量に合わせて10%の「もち米」を加えて炊くだけで、備蓄米の食感と甘みがぐっと引き立ちます。もち米の持つ粘りが加わることで、炊き上がりはふっくらもちもちに。お米の甘みが引き立つことで、冷めてもおいしさが続きます。もち米を使った方法は、古米を美味しくする炊き方として、タマチャンショップの別の記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
古米が美味しく食べられるレシピを備蓄米にも活用する
炊き立ての備蓄米から気になるにおいや物足りなさを感じたときは、調理でひと工夫してみましょう。古米の欠点が気になりづらいレシピに変えるだけで、安心できるおいしさに出会えます。
チャーハンやピラフ
古米のような備蓄米は水分が少ないぶん、炒めものとの相性が抜群です。チャーハンやピラフにすれば、パラパラ感が活きて、味もしっかり絡みます。香ばしい風味が引き立ち、古米ならではの食感もアクセントになります。
炊き込みご飯
具材のうま味と出汁がしっかり染み込む炊き込みご飯は、風味の落ちたお米でもおいしく仕上がる定番メニューです。にんじんやごぼう、きのこ類などの食材を加えると、香りと食感のバランスが良くなり、くせも気になりません。醤油やみりんの風味でごはんに深みが増し、冷めてもおいしく食べられます。
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カレー
備蓄米や古米の風味が気になるときは、香り豊かなカレーに仕立てるのが効果的です。スパイスの力で古米特有のにおいが気にならなくなり、ごはんの甘みもしっかり感じられます。とろみのあるルーがごはんによく絡むため、パサつきもカバーしやすく、食べ応えのある一皿に仕上がります。冷めても美味しいので、作り置きやお弁当にも活用できます。
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冷や汁・リゾット
夏場には、冷や汁風のさっぱりレシピもおすすめです。味噌やだしのコクが古米のクセをうまくカバーし、キュウリや大葉の爽やかさで食欲がわきます。一方、リゾットはお米をしっかり煮込むことで、ふっくら感が戻りやすく、チーズやブイヨンの風味が食べごたえを高めてくれます。
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実店舗・楽天やAmazonなどネットショップで備蓄米の購入方法と選び方
近年、通販サイトで見かけるようになった備蓄米。価格の手頃さや非常時への備えとして注目される一方で、選び方に迷う方も多いかもしれません。以下では、購入時にチェックしたいポイントをご紹介します。
2025年からの一般販売と価格
政策の変更を受けて、2025年春から政府の備蓄米が一般向けに販売されるようになりました。5kgで2,000円前後というリーズナブルな価格設定で、量販店やネットショップなどで取り扱われています。以前は手に入りにくかった備蓄米ですが、今では誰でも手軽に購入できるようになりました。
表示ラベルの見方と品質で選
パッケージを見れば、備蓄米かどうかをある程度見分けられます。「複数原料米(国内産)」という表示がある商品は、複数年・複数産地の米をブレンドした備蓄米の可能性が高いです。ほかにも「〇〇ブレンド」「お買い得米」といった名称で売られていることがあります。また、精米年月日も大切なチェックポイントです。なるべく新しい日付の商品を選ぶことで、よりおいしい状態で楽しめるでしょう。
信頼できるメーカーやブランドで選ぶ
購入する場合は、販売元の情報にも注目してみてください。実績のある米穀業者や農協系ブランドの商品は、品質管理がしっかりしていて安心です。たとえば、有機JAS認証や減農薬表示のある商品を選ぶのもひとつの目安になります。レビュー評価も参考にしながら、「粒がしっかりしていた」「普通のお米と同じで美味しかった」などの口コミや評判の多い商品を選ぶと、失敗を避けられるでしょう。価格だけで決めず、表示内容や評価を総合的に見て選ぶのがポイントです。
備蓄米の保存方法と長持ちさせるコツ

せっかく備えたお米も、保管の仕方ひとつで美味しさに差が出ます。上手な備蓄米の保存方法を覚えて、いつでも安心して食べられる状態を保ちましょう。
涼しく乾燥した環境で保管
備蓄米は、湿気の多い場所を避けての保管が大切です。特に夏場や梅雨の時期は室温が上がりやすく、お米が劣化しやすい季節です。直射日光を避け、風通しのよい冷暗所で保存するようにしましょう。場合によっては、冷蔵庫の野菜室などを活用するのも良い方法です。
密閉容器で虫の侵入や備蓄米の酸化を防止
開封後のお米は袋のままではなく、しっかり密閉できる容器に移すのがおすすめです。空気を遮断することで酸化の進行が遅れ、虫の発生や湿気移りを防げます。食品用の乾燥剤や脱酸素剤を一緒に入れておくと、より安心でしょう。夏場は容器ごと冷蔵庫に入れると、虫害のリスクも抑えられます。
開封後の備蓄米は早めに使い切る
お米は開けた瞬間から、少しずつ風味が落ちていきます。保存期間が長くなるほど香りや味わいにも変化が出るため、できるだけ早めに使い切るのが理想です。また、1〜2週間で消費する分ずつ小分けにし、密閉袋で保存しておくと便利です。
まとめ
非常時に頼れる備蓄米ですが、「美味しくないのでは?」という不安を抱く方も少なくありません。確かに古米特有のにおいや乾燥による食感の変化など、味に違和感を覚える理由はあります。しかし、保存や炊き方に少し工夫を加えるだけで、ふだんのお米と変わらない美味しさを引き出すことができます。また、雑穀米・もち米とのブレンドや、アレンジレシピで食べるのも有効です。ほかにも美味しさを維持するには、保存方法が重要です。冷暗所での保管や密閉容器の活用など、日々の備えとしても役立つポイントがたくさんあります。価格も手頃になり、楽天やAmazonなどで手軽に入手できる時期こそ、美味しさと健康維持を両立した活用方法を考えてみませんか? 食べ慣れたお米として取り入れていくことが、災害時の安心だけでなく、日々の暮らしを豊かにしてくれるはずです。